中国株二季報2018年夏秋号から(その1)

※ 2018/7/11 追記しました。(0486.HK, 0914.HK)

中国株二季報の最新号2018年夏秋号が届きました。(中国株二季報2018年夏秋号)

これを、1ページづつパラパラとめくって銘柄探しをするのが、年次行事となっています。

いまどきネットのスクリーニングを使えばお目当ての銘柄を一発で抽出しれくれます。でも、紙の本を1ページづつチェックしていく作業の中で、いろいろと考えたり、過去の取り引きを思い出したりするので、米国、中国それぞれ年1回づつだけやることにしています。

全部で753銘柄紹介されてます。「中国株」といっても大半は香港上場の銘柄です。

なお、銘柄の選定基準はざっくり次の通り:

  • ROEが高い。少なくとも15以上。
  • 売上、利益が安定して成長している。
  • 次の業種は除く: コングロマリット、不動産、金融、自動車、電子機器、素材(あくまで原則、詳しく後述)、航空会社、ネット関連

今日は香港の0001番から1000番までを見てみます。現時点で自分が注目したいと思った銘柄をあげてみます。なお、利回りは本書に記載のものです。当然株価は日々変わりますので最新値とは異なります。

0027 銀河娯楽集団(マカオのカジノ)― ROE 18.9、利回り1.1%。マカオでのシェアは22.5%で第1位です。一時期の低迷を脱し、VIP、スロットとも増収。日本市場も視野に。

0151 旺旺(菓子・飲料) — 以前保有していましたが、成長鈍化を嫌って売った銘柄です。米菓子でオートメーション化を進めて5割の増益。2018年から決算を12月から3月に変更しています。(春節の影響を避けるため)ROE 31.0、利回り2.1%。

0177 Jiangsu Expressway(高速道路)— ROE 15.3、利回り 5.1%。江蘇省の高速道路を運営。総延長850 Km。この銘柄は2004年に中国株を始めた時から視野に入っていましたが、当時は「高速道路など、しょせん成長余地は限られている」と買い候補からは外していました。事実それほど大きくは成長していませんが、順調に増収増益を重ねてきています。利回り狙い中心の投資にシフトしつつある今、注目したいと思います。

0371 北控水務 ― ROE 17.9、利回り 3.8%。このブログで何度も取り上げています。契約処理料金の値上げに成功しています。

0384 中国ガス ― ROE 28.4、利回り 1.2%。これもこのブログで取り上げています。本書には記載されていませんが、2018/3決算も良好でした。

0388 Hong Kong Exchange ― ROE 19.9、利回り2.8%。本土との相互取引が奏功。種類株の導入を含めた制度改革が予定されています。

0486 UCルサール(アルミの世界的大手) ― ROE 27.5、利回り 9.7%。素材なので本当は却下すべきですが、材料から精錬までの垂直統合型の生産体制を持っていること、世界大手であることと、そしてなんといっても9.7%の利回りがあることで注目しました。もっとよく調べてみたいと思います。※ 2018/7/11 追記:同書にも記載されてますが、2018/4に米国財務省の制裁対象となり、株価が急落しています。高利回りはこのため。2017/12の決算書の冒頭にも「Warning」として制裁の内容について触れられています(米国民、米国企業による取引の禁止)。いくら安いからといって、ちょっと買えないですね。

0576 Zhejiang Expressway ― ROE 15.5、利回り6.1%。こちらも高速道路。浙江省。高速道路事業は順調ですが、証券事業が減収減益。こちらはちょっと見送った方がよさそうですね。

0669 Techtronic Industries — 電動工具の世界大手。日本でもおなじみの「Ryobi」ブランドは、この企業が保有しています。ROE 17.2、利回り 1.8%。

0696 トラベルスカイ・テクノロジー ― ROE 14.6、利回り 1.5%。航空券の予約発券と空港旅客処理システムを独占している企業です。国内外の航空会社は、同社のサービスを使わざるを得ません。増収増益を続けていますし、今後5年、10年後もきっとそうでしょう。

0855 中国水務 ― ROE 17.1、利回り2.5%。0371と同じく水道事業を手がけています。数年前まではROEがもっと低かったのですが、2011年に日本のオリックスが資本参加し、今では順調に成長を続けています。現在のオリックスの持ち分は18.3%。

0914 Anhui Conch Cement(セメント大手)— これも思いっきり素材なので、これまでは全く注目していませんでした。しかし、「単一ブランドでは世界一」というシェアと「一帯一路」政策を背景とした成長が見込まれること、順調に増収増益を続けていること、そして、ROE 17.8、利回り4.8%という数字に魅力を覚えました。要研究です。※ 2018/7/11 追記: 2017/12決算には株式売却による約18.6億元の利益が含まれています。高ROEはこれによるもの。2016/12のROEは11.2。実力はこんなもんでしょう。買い候補からは、外し。

とりあえず、今日はここまで。