利息の歴史について

GW連休中は、買い物と散歩以外は家に閉じこもっています。だらだら動画を見たり、昔のゲームを引っ張り出してきて遊ぶくらいで、なかなか本を読んで勉強する気になりません。投資関連の本も、まだまだ読んで勉強すべきことはあるのでしょうが、ここしばらくの間「おなかいっぱい」という感じになっています。

しかし、ちょっと興味を引く本があったので、Kindleでダウンロードしてみました。

現代経済学の直感的方法」という本です。経済の本なのですが、著者の長沼伸一郎さんは有名な物理学者です。30年くらいに書かれた「物理数学の直感的方法」という本が、難しい物理・数学を直感的に理解できるということでベストセラーになったようです(学生当時から不勉強だった私は、その存在もしりませんでしたが・・・)。その同じ著者が、素人向けに経済を直感的に理解させることを目的として書かれた本が、この「現代経済学の直感的方法」です。

全部で9章あるうちの最初の1章「資本主義はなぜ止まれないのか」を読んだだけですが、資本主義や利息の本質についてわかりやすく説明されています。

この記事ではその「利息」について、私が理解したことをまとめてみます。

他人にお金を貸して利息をとるという概念は昔から存在しましたが、それが人々に広く受け入れられるようになったのは、ほんの最近(17世紀頃)なのだそうです。

昔はどうだったかというと、ベニスの商人に出てくる金貸しのように、利息をとって金を貸すという行為は、卑しいことと考えられていたようです。

また、別の話として、イスラム教では利息が禁じられているということをご存知の方は多いと思います。では、なぜイスラム教で利息が禁じられているかというと、「貸し手が借り手と同じリスクを負わないのは、不公平だ」ということなのだそうです。

つまり、借り手が事業に失敗しても(返済能力があるうちは)貸し手の権利は保護されますが、これがけしからんというわけです。では、どうすべきかというと「借り手の事業に出資して、貸し手も同じリスクを負うべき」ということです。

このように、利息というものは社会には広く受け入れられていませんでした。その利息が広く受け入れられるようになったきっかけは、「カルヴァン主義」といわれる宗教改革にあります。

宗教改革といえばカトリックに反発してプロテスタントを起こした「ルター」が有名ですね。カルヴァン主義も、このルターを双璧を成す宗教改革なのですが、その考え方が少し違っているようです。

カルヴァン主義の考え方を簡単にまとめると、「1. 死後、地獄に行くか、天国に行くかは、生まれた時点で決まっている」、しかし、「2. それを事前(生前)に知ることはできない」、そして、「3. ビジネスで金を稼ぐことが、天国に行く側であることの証明に他ならない」となります。

いずれも現代のわれわれにはちょっと理解しがたいところもありますが、ヨーロッパにおける宗教(キリスト教)というのは、人々の考え方や価値観に深く根ざしたものであるということだけは理解しておきたいところです。

1, 2, 3のように信じている人にとっては、ビジネスで稼いだ金を享楽のために使うことなど思いもよらぬことで、その金を再投資してビジネスをどんどん拡大していくことこそが価値のあることになります。

また、これらの人にとっては、自分以外の他人は救われる側なのか救われない側なのかわからないので信じることができず、自分が救われることだけが重要になります。

これによって、従来の助け合いの共同体が崩壊し、その結果、「お金を貸すのなら、利息をとるのが当たり前」という考え方が受け入れられるようになったそうです。

今の世界はどうか?

世界的に低金利、というか個人レベルではほとんど金利が得られない世の中になりました。

今後インフレが起これば利息も高くなるかもしれませんが、その分キャッシュの価値も目減りします。

貯蓄というほぼノーリスクの形で利益を得ていくという世の中は、もう戻ってこないような気がします。となれば、資産を生かしてお金を稼ぐには、リスクをとった投資という形しか残らないことになります。

助け合いの共同体が崩壊し、皆が自分の生き残りだけ考えるというのも、少なくとも日本においては当てはまっているように思えます。(私も、世の中のために多額の寄付をするほどの余裕もありません。)

世の中の流れをよく観察して、暗黙のルールをちゃんと理解して、資産を運用していくことがますます大事になってくるということですね。

投資と人生は自己責任で。

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