米国会社四季報・2019年春夏号をさっそく読んでみた

米国会社四季報の2019年春夏号が発売されたので、早速購入しました。

米国会社四季報・2019年春夏号

「四季報」ですが、私は、ほとんどの企業の年次決算が掲載されている春夏号しか買いません。私にとっては、年一度のイベントです。

朝早く、空いているスタバで優雅にコーヒーを飲みながら、ページをパラパラめくり、プチリッチ気分を満喫します(気分だけですが・・・)。

安定して利益が出ていて、ROEが概ね20以上で推移しているという条件でざっくりフィルターをかけます。ただし、ROEについては、「好業績なのに株主還元を大きく進めたために債務超過になっている」企業があるので、その点は注意します。(ROE計算不能。)

あとは、事業の内容を見て、「この先5年、10年、優位性を維持できそうか?」、つまり、永続的な経済的堀(参入障壁)を持っているか、という視点で絞り込みます。

石油関連、金融関連(保険含む)、食品ブランド、製薬などは、基本的に「視野外」です。ささっとページを飛ばします。

また、中国のIT関連企業のADRの掲載も増えていましたが、これらもスキップです。

以下、今回目をつけた銘柄をあげてみます。(これまでこのブログで取り上げたものは省略します。)

なお、ROEと配当利率はYahoo Financeから拾っています。ページ番号は四季報のもので、自分の参考用に付けています。

軍需

  • Lockheed Martin Corporation[LMT], PER: 17.75, ROE: 1499.55, 利率: 2.65% (P. 108)
  • General Dynamics Corporation[GD], PER: 15.58, ROE: 28.99, 利率: 2.13% (P. 231)
  • Northrop Grumman Corporation[NOC], PER: 15.71, ROE: 42.16, 利率: 1.66% (P. 232)
  • Raytheon Company[RTN], PER: 18.18, ROE: 25.79, 利率: 1.88% (P. 232)
  • Huntington Ingalls Industries Inc[HII], PER: 11.49, ROE: 51.07, 利率: 1.38% (P. 234)
  • Booz Allen Hamilton Holding Corporation[BAH], PER: 29.42, ROE: 66.94, 利率: 1.30% (P. 418)

これらの企業は軍需産業であるという時点で、参入障壁が高いと考えられます。

LMTはF-35 などの戦闘機やヘリコプター(シコルスキー)、GDはエイブラムス戦車の他に民需用に商用ジェット機ガルフストリーム(トムクランシーの小説によく出てくるやつ)、NOCはステルス爆撃機 B-2、無人偵察機、早期警戒システム(AWACS)、そしてHIIは空母(独占)、原潜(GDと2社独占)と、米国の軍事力を支える兵器を製造しています。

毛色の違うところでは、BAHは米軍や国家安全保障局、エネルギー省などの政府機関向けに、防衛、情報、技術などのコンサルをてがけています。高いROEが独占力を示唆しています。

企業・事業者向けに独占力のあるサービス・製品を提供

  • Deere & Company[DE], PER: 15.51, ROE: 33.02, 利率: 1.70% (P. 109)
  • Linde PLC[LIN], PER: 14.31, ROE: 13.48, 利率: 1.83% (P. 222)
  • Allegion PLC[ALLE], PER: 21.91, ROE: 82.19, 利率: 0.89% (P. 239)
  • Cintas Corporation[CTAS], PER: 27.15, ROE: 27.85, 利率: 0.99% (P. 257)
  • Intuit Inc.[INTU], PER: 46.35, ROE: 63.39, 利率: 0.66% (P. 395)
  • Paycom Software Inc[PAYC], PER: 80.77, ROE: 44.5, 利率: 0.00% (P. 403)
  • Automatic Data Processing[ADP], PER: 44.62, ROE: 36.83, 利率: 1.71% (P. 406)
  • Paychex, Inc.[PAYX], PER: 28.74, ROE: 41.4, 利率: 2.73% (P. 410)
  • Broadridge Financial Solutions, Inc.[BR], PER: 30.27, ROE: 40.29, 利率: 1.52% (P. 409)

顧客となる企業や事業者にとって「なくてはならないもの」を提供し、それが他社へ乗り換え困難なものであれば、高い参入障壁を持つと考えられます。

DEはビジネス書や投資関連の書籍でもよく取り上げられます。北米中心にトラクターなどの農機を販売していますが、素早い修理体制を持っていることで、農家にとってなくてはならないものになっています。修理に時間がかかると農業に大きなダメージがあるからです。

LINは、世界最大の産業用ガス企業です。詳細は調べていませんが、鉄鋼や石油関連向けの製品や炭酸飲料向けの製品を提供しています。規模の経済が働く業種なので、コスト上の優位性を持っていそうです。

ALLEは、ドア鍵、緊急避難用のパニックバー、電気制御キーなどを世界展開しています。建物の建築コストに対してこれらの製品のコストはたかが知れているので、安物を使うよりも実績のある製品を使おうという動機が起こりそうです。

CTASは、従業員用のユニフォームを製造販売しています。「独自のネットワークや配送ルートを発揚した企業向けサービス」を行っているという点で、独占性(高いスイッチングコスト)がありそうです。

INTUも、高い参入障壁を持つ企業としてビジネス書によく取り上げられていますね。祖業のQuickenは2016年に売却済み。現在は、中小企業向けのQuickBooks、個人向けのTurboTaxやMint(資産管理ツール)が主力です。一度これらのソフトを使い始めれば、他のソフトに乗り換えるためには蓄積したデータを入力しなおすなどの手間が必要です。したがって、末永く利用してもらえることが期待できます。(ただし、私はこれらのソフトについて、使ったことはなく、あまりよく知りません。)

PAYC、ADP、PAYXは、人材管理や給与計算に関連するサービスを提供しています。PAYCはクラウドによるサービスで、2万人超の顧客を抱えています。ADPは人事関連業務のアウトソーサーで、顧客は世界113か国、70万社。PAYXは中小企業に特化してADPとすみ分けています。いずれの企業のサービスも、一度使い始めた顧客にとっては、サービスを利用するコストに比べて、他に乗り換える手間(コスト)が相当大きく、乗り換えをためらう動機があるものと想像されます。

BRは、「金融機関向けに株主総会議決権行使、有価証券取引決済処理システムを提供」とのことです。詳しい事業内容はもっと調べてみないとわかりませんが、高いROEが参入障壁の高さを示唆しています。

ネットワーク効果を持つ

  • Copart, Inc.[CPRT], PER: 32.93, ROE: 34.57, 利率: 0.00% (P. 258)
  • Robert Half International Inc.[RHI], PER: 18.55, ROE: 40.06, 利率: 1.67% (P. 260)
  • CBRE Group Inc[CBRE], PER: 16.63, ROE: 23.21, 利率: 0.00% (P. 480)

次は、「ユーザの数が増えれば増えるほど、個々のユーザの利便性が上がる」ネットワーク効果を持ちそうな企業です。

CPRTは、車のネットオークションの企業で、170ヵ国に75万の会員を擁しているとのこと。

RHIは、会計・税務・金融などの専門職に特化した世界最大の人材紹介・派遣会社。ROEが非常に高いです。

CBREは、世界最大の事業用不動産サービス・投資企業で、世界で480拠点を展開しているとのこと。

NIMBY

  • Service Corporation International[SCI], PER: 18.15, ROE: 29.34, 利率: 1.62% (P. 294)

NIMBYとは”Not-In-My-Back-Yard”、つまり、世の中に必要なことはわかっているけれど、自分が住む場所の近くには来てほしくない、という嫌われる事業のことです。

このブログで取り上げたWaste Management(WM)がその一例です。

SCIは、葬儀サービスで全米首位。葬儀場や墓地を運営しています。

その他

  • Rollins, Inc.[ROL], PER: 60.33, ROE: 33.92, 利率: 0.86% (P. 259)
  • Hilton Grand Vacations Inc[HGV], PER: 11.07, ROE: 52.56, 利率: 0.00% (P. 289)
  • Zoetis Inc[ZTS], PER: 35.79, ROE: 71.72, 利率: 0.49% (P. 360)

ROLは害虫駆除の企業。売り上げも利益も右肩上がり。ROEも高いです。米国中心ですが、欧米、新興国でFC展開しているとのこと。ノウハウもしくはブランドで参入障壁を高めているのでしょうか。

HGVは高級リゾートホテルの会員制タイムシェアサービスを提供しています。ROEが高いので取り上げておきます。

ZTSは家畜やペット向けに、ワクチンや寄生虫駆除剤などの健康関連製品を製販。高いROEに注目です。

最後に

実際に買うならば、数年分の決算書やニュースをもっと調べてみる必要があります。

順番に勉強していき、今持っている銘柄よりも、価値・価格の面で良いと判断すれば、乗り換えていきたいと思います。

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