長期投資において、やるべきことと、やるべきではないこと

サラリーマンとして雇われている人は、基本的に頑張れば頑張るほど報われます。報われない場合もあるかもしれませんが、頑張って損することはまずないはずです。(不正とかしないかぎり。)

しかし、ビジネスや投資においては、「正しく」頑張らなければならず、「間違って」頑張ってしまうと逆に大損してしまうことがあります。

投資にあたって、何をやって、何をしないか。それは、それぞれの投資家の考え方によると思います。

私の場合、つまり、サラリーマンが片手間に投資する場合で、相場の値動きをとりに行くような「トレード」には手を出せないけれど、優良企業の株式を長期保有して、年率数パーセントのリターンを狙う場合において、「やること」と「やらないこと」をまとめてみました。

長期投資家として「やること」

やること・その1 ― 決算書を読む。決算の推移を追う。

銘柄選択にあたっては、まずは数値を見ることが一番大事です。

米国企業の英語の決算書でも、PL、BS、CFを見るだけなら、それほど英語力は不要だと思います。基本的な用語を辞書で調べれば、OK。

私が一番重要視するのは、「利益の配分」です。(ですから、安定して利益が出ていることが大前提)

利益の配分先は3つ。配当、自社株買い、内部留保。

このうち、配当と自社株買いは株主への直接のリターンなので、その額に自分が満足するかどうか判断すればOKです。

内部留保は、株主の立場から見れば、「再投資して、将来の利益向上につなげてくれるんだよね」という期待を持つのが自然です。問題は、企業がこの期待に応えているかどうかです。

私の場合、過去5年とか10年という期間をとって、その期間内の利益の増加額と、同期間内の内部留保の累計との比率をみます。ROEと同じような基準で、20%あれば合格、30%あれば上々といったところです。

逆に、(多くの日本企業によくあることですが)毎年内部留保を積み上げるものの、それが利益の増加につながらない、つまり現状維持のためだけに使われているような企業は、投資対象から外します。

競争に勝ち残るべく次から次へと新製品を生み出すために、研究開発や設備投資に膨大な費用をかけなければならないような企業とかがそれにあたりますね。

やること・その2 ― 「モート(堀)」の広さを考える

たとえ今潤沢な利益を上げている企業であっても、その事業内容を模倣する企業がたくさん出てくるようであれば、その利益を脅かされることになります。

他の企業が参入できない、「経済的な堀」を持っていることも、同じように銘柄選択にとっては大事なことです。

「経済的な堀」については、「千年投資の公理」という本をお読みになることをお勧めします。

この書によると、経済的な堀として最も強力なものは、「ネットワーク効果」です。つまり、利用者が増えれば増えるほど、個々の利用者のメリットがふえるような製品・サービスです。身近な例だと、マイクロソフトのOfficeが挙げられますね。(みんなが使っているから、便利)

対象企業がワイドモート(広い堀)を持っているかどうかは、数値には現れないので、その企業の事業内容を自分自身で良く理解して、判断するしかありません。

逆に、事業内容をよく理解しておけば、仮に大暴落に見舞われても、その企業の堀が脅かされない限り、自信をもって継続保有したり、キャッシュがあれば買う向かうことさえできます。

その判断を、他人にゆだねていると、暴落でろうばい売りをすることになりかねません。「投資の神様」のいうことを鵜呑みにしないこと。

やること・その3 ― 企業に関するニュースを読む

「広い」と思われた「経済的な堀」も、事業環境の変化で崩れてしまうことがあります。

私の経験から例をあげると、輸送の需要家と供給者をネットワークで結びつける強みを持っていたCHロビンソン(CHRW)が、Amazonによる同サービスへの参入に脅かされた事例が挙げられます。(その後、CHRWの利益も株価も下落傾向です。)

こういう「変化」を察知するためには、対象銘柄に関するニュースを日々チェックする必要があります。

私は、Yahoo Financeの銘柄ニュースをチェックしています。といっても、大半はタイトルだけをさっと見て読み飛ばしています。(AMZNのような人気銘柄だと、毎日数十通のニュースが出てくるので、全部は読んでいられない)

もし、将来こういうチェックがめんどくさくなれば、その時はインデックス投資への切り替え時期なのだと思っています。

長期投資家として「やらないこと」

長期投資家としてやらない方がよいと思っていることをあげてみます。

やらないこと・その1 ― チャート分析・株価の予想

様々なチャート分析の手法があります。

そういう手法で安定して利益をあげている人もいるのでしょう。

しかし、少なくとも私には、向いていないと判断しました。昨年2019年、ちょっと気まぐれにFXをやってみたりもしましたが、すぐに撤退しました。

バフェット、ソロス、ジム・ロジャーズといった投資の大家も、株価の予想は難しいといっています。

難しさの本質は、株価の動きが自然現象ではなく、株価の動きを見て売買の判断をする投資家の動きを反映した社会現象であるということに尽きると考えています。

やらないこと・その2 ― 将来を予想する

株価だけではなく、世の中の将来の姿を予想することも、少なくとも投資においては無益だと考えています。

10年前を振り返って、今の世の中を予想できたかどうか。

「バックキャスト」、つまり、将来の世の中の「あるべき姿」を予想して、それと現在のギャップから、今後必要なものを予想する、なんてことが私の職場でも平気で言われていましたが、私自身は内心「無理」と思っていました。(従順なサラリーマンなので、声には出しませんでしたが。)

ドラッカーによると、社会の変化で確実に予想できるのは、人口構成くらいのものなのだそうです。しかし、その人口構成でさえ、今回のコロナ禍のような事変で高齢者が一気にいなくなれば、予想も覆るかもしれません。

やらないこと・その3 ― 投資について議論する

一人で投資活動をやっていると、他の投資家の方といろいろお話してみたいと思うこともあります。

お互いの意見を尊重し、自分の考えを押し付けないように紳士的な話をしている分には問題ないと思います。

しかし、人間には自己顕示欲があるので、どうしても自分の意見を押し付けたり、自分の成果を自慢してみたり、なんてことになるのがオチだと思っています。私自身が、他の方にそういう態度をとらないという自信もありません。

ナシム・ニコラス・タレブ氏が「反脆弱性」という本で書いていた言葉が印象に残っています。

カモは議論に勝とうとする
カモでないやつは勝とうとする

他人に対してあれこれ意見をしてしまうと、その自分自身の発言がその後の自分の投資判断に対する「縛り」になってしまうのです。

他人に偉そうにすすめた銘柄を、その後売りたくなったとしても、他人にすすめた手前売れなくなってしまう。

本当は買いたい銘柄なのだけれども、自分と意見対立しているしている人がすすめている銘柄なので、買うのをためらってしまう。

大人気の投資漫画「インベスターZ」にも、「投資家は講釈すべからず」という言葉が出てきます。

やらないこと・その4 ― リバランス

やった方がいいのかもしれません。

でも、私はキャピタルゲイン税の支払いを先延ばしにしたいので、単に「保有割合が大きくなった」という理由だけでは、保有銘柄の一部を売ることはありません。

例外はありますが、売るときはだいたい「全売り」、つまりその銘柄を見限った時だけです。

故・邱永漢さんも、「上がった株を売って、上がらない株を持ったままだと、結局ダメな株ばかり持つことになる」と、リバランスをたしなめられていました。

投資と人生は自己責任で。

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