[記事紹介] ベンチャーへの投資のリスク・「セラノス詐欺」が与えた教訓

日経ビジネスの記事の紹介です。

「セラノス詐欺」が与えた教訓(Financial Times)

ざっくり要点をあげると以下の通りです。

  • 米医療ベンチャー、セラノス(theranos.com)が自社の技術や財務状況に関し、投資家を欺いたとして米SECから提訴された。
  • 同社に50万ドルを出資した米ベンチャーキャピタルによると、「セラノスの事業運営に関する情報に投資家として一切アクセスできなかった」とのこと。
  • セラノスの提訴の理由に、「検査装置のデモンストレーションで不正を働いた」点が挙げられている。
  • 他社の例として、ウェアラブル・コンピューターを開発する米マジック・リープ社(magicleap.com)が取り上げられている。同社の技術を使って制作したとされるユーチューブ上の動画が絶賛を浴びたが、実はこの動画が特殊効果フィルムを使って作成された「コンセプト動画」であることが2年後に明かされた。

私は、これら2社の企業の名前すら知りませんでしたが、先日ご紹介した「反脆弱性」を読んで、安定企業だけではなくベンチャー企業への投資も考える必要があるなと思っていたところにこのニュースを目にしたので、ここに書き留めました。

ただ、このニュースから学ぶべきことは、「やっぱりベンチャー投資は危ない」ということではなく、

よくわからないものには投資しない

という、バフェットの言葉を思い出すことだと思います。

ベンチャーだから注意が必要というわけではなく、我々は以下の2点に注意する必要があると思います。

  1. 事業内容が自分に理解できる内容か。
  2. 実績がすでに形(数字)になっているか。

前者については、例えば先日ご紹介した石薬集団中国生物製薬のような製薬会社をはじめとした医療・医薬業界など「素人にとってわかりにくい」事業への投資にはリスクがあるということです。

後者については、仮に自分が医療・医薬業界銘柄に詳しいとしても、その実績がちゃんと形になっていないものには投資すべきではないということです。上に挙げた2社とも、分野は異なりますが、投資家に「見せた」技術に、偽りありだったということが共通しています。まだ事業として実績がない企業に投資したために、投資家は損を被ったということです。

逆に言えば、上記の2点がクリアされていれば、ベンチャーやIPOしたての若い企業への投資もありだと思います。ただし、少額を広く、浅く。

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