長期投資とトレードは両立するか?

私の主な投資スタイルは、永続性のありそうな企業、少なくともこの先5年、10年は安定して利益を上げられそうな企業の株式をずっと持ち続ける「長期投資」です。

企業が毎年あげる利益を、配当、自社株買い、内部留保の再投資という形で享受していくことを目指しています。

しかし、最近トレードにも興味を持ってきました。

退職して時間ができたときに、毎日何をやりたいかを考え続けています。

自分のこれまでの人生を振り返って、自分が毎日やりたいと思えることには、以下のような条件があるという結論に達しました。

1) 自分一人でできること。

2) お金儲けに関すること。

もちろん長期投資もこれらの条件に合致しています。しかし、毎日毎日何かやることがあるわけではありません。株価が急落していないかをチェックし、していればその理由を探ることと、あとは年1回の決算をチェックするくらいです。

では、毎日何をやるのか?

手っ取り早いのは、競馬、競輪などの公営ギャンブルや、パチンコ、パチスロなどでしょう。(これらが人気を集めているということは、私と同じ嗜好の人がきっと多いという証拠なんでしょう。)

しかし、公営ギャンブルの25%の寺銭の壁を越えて安定した利益を上げるのは至難の業でしょう。

パチンコやパチスロは、「プロ」としてそれで生計を立てている人もいるようですが、競争も激しく、精神的にも体力的にも相当厳しそうです。20代、30代の人ならともかく、50歳をすぎて毎日やるのは難しいでしょう。そもそも海外移住できませんし。

FXトレードで安定した利益を上げているという方が、結構いらっしゃるようです。

プラスサムの長期投資と違って、ゼロサム、マイナスサム、つまり、勝つ人がいる分だけ負ける人もいるゲームです。

自分が勝つ側に回れるしっかりした根拠があれば、やってみても良さそうです。

やるかどうかは別として、入門書を読んで少し勉強してみました。

ずっと使えるFXチャート分析の基本(田向宏行)

アマゾンの書評をみてみましたが、全くの素人が基本を勉強するのに向いている本のようです。

大事なポイントをまとめてみます。

FXでは、見るべきデータは「値動き」しかない

為替市場には株式市場の取引所のような「全体を管理する組織」がありません。また、株式の「板」に相当するもののなく、いったい世界中でどのくらいの量の取引があるのか誰にも分かりません。

値動きがニュースに左右されることもあるでしょうが、必ずしも予想通りわかりやすく動くわけでもありません。

結局目の前にある「値動き」のデータだけを見て、どう取り引きするかを判断する必要があります。

MACD、RSIなどのテクニカルなシグナルもありますが、結局は値動きを元に計算されています。

多数派の動きについていくゲーム

為替の取引をしているのはFXをやっている個人トレーダーだけではありません(むしろ少数派でしょう)。貿易に絡んだ実需もあるでしょうし、大手機関投資家によって大量の注文がされているでしょう。

そんな、姿の見えない巨人に対して、「逆張り」つまり、「これだけ安く(高く)なったのだから、そろそろ反発するだろう」と逆のポジションをとっても、餌食にされるだけです。

目の前の値動きを見て、買い手が優勢だと判断されれば自分も買い、売り手が優勢だと判断されれば自分も売ることが勝つためのポイントなのだそうです。

ポーカーや麻雀などの対人ギャンブルでは、「誰がカモか」を意識することが大事だと言われます。(バフェットも、「誰がカモか分からないときには、自分がカモである」と言っていますね。)

長期投資をする個人投資家にとっては、四半期ごとの成績を出すために優良銘柄を安値で売り出す機関投資家が「カモ」といえるかも知れません。

しかし、為替の市場ではそもそも相手がまったく見えず、誰がカモかを明確に意識することはできなさそうです。

どんなテクニックを使うのか

同書ですすめられている売買方法は、直近のレンジを把握した上で、そのレンジを少し上に抜けたところで買いの逆指し値注文を出し、注文成立後再度そのレンジの下限に達したところを「損切り」ポイントにするというものです。(売りの場合も同様です。)

つまり、レンジを抜けて新たなトレンドができたところを追従するという戦略です。

その後新たなレンジが形成されれば、損切りポイントを更新していきます。

なお、値動きがレンジ内で収まっているときには、どちらの方向にいくか分からないので、取り引きすべきではないそうです。

値動きを正確に把握する

大事なポイントは、レンジを「チャートを見て、視覚的に何となく」判断するのではなく、ちゃんと高値、安値をPIPS単位で正確に見ると言うことです。

なぜならば、レンジの高値や安値には、大量の売り注文や買い注文が控えていて、その上で買う(その下で売る)のと、その下で買う(その上で売る)のでは、意味が大きく違うからです。

さっそく始められそうか?

いろいろな時間軸で取り引きすることができます。

著者は日足の時間軸で一日2回程度値動きをチェックする取引をやっているようです。ずっと画面に張り付くのでなければ、現実的なやり方のように思えます。

アマゾンの書評にも書かれているように、このテクニックを使えばすぐに勝てるわけではありません(もしそうなら、誰でもお金持ちになってしまいます)。値幅をとれる量より損切りの量が大きくなって、負け越すことが多いのだと思います。

このテクニック自体はおそらく正しいやり方なのだと思いますが、勝ち越せるようになるためには、「参入すべきパターンと、そうでないパターン」を区別できるようになる必要があるのだと思います。この辺が、これからの勉強のポイントなのでしょう。

私自身、FXは10年ほど前にスワップねらいで手を出して、結局ロスカット狩りにあって大損を出して撤退したことがあります。しかし、「トレード」という視点でやった経験はありません。

別に、すぐにトレードで利益を上げなければならない理由もないので、じっくり勉強して、自信がついたら手を出してみようと思っています。

(いつの間にか、飽きてやめているかも知れませんけれど・・・。)

投資と人生は自己責任で。

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