環境保護を推進するバイデン新大統領登場によって、クリーンエネルギー(クリエネ)セクターが大人気です。
クリエネの代表的なETFであるQCLNも、暴騰中です。
5年チャート(Bloombergのサイトより):
縦軸の一番下はほぼ0なので、グラフの見た目分株価が上がっていることになります。
このチャートを見ただけでも、「高所恐怖症」になりそうです。
ETFなら何も考えず買い増していけばいいのか?
ETF投資のいいところは、「価格が上がろうが下がろうが、何も考えず、定期的に買い増ししていけばいい」こととよく言われます。
でもこれって、S&P500などの市場全体に連動したETFに対してのみ、言えることなのではないかと思います。
特定のセクターに限定したETFの場合、特にクリエネのように高く買われているセクターのETFの場合、今後5年くらい先を見た時に、価格が上がっているか疑問です。
ETFの「価値」を判断できるか?
もし何らかの理由で価格が暴落した場合、個別株ならその企業の業績や事業内容からその価値を判断することができます。価値は変わらないと思えば、我慢して持ち続けたり、あるいはキャッシュがあれば果敢に買い向かうこともできるでしょう。(逆に価値が下がったと思えば、売り。)
また、同じような局面において、S&P500のような市場全体を買うETFなら、長期的な上昇を信じて持ち続けることができるでしょう。
しかし、特定のセクターに限定したETFの場合、その「価値」を判断することは難しいと思います。「価値」ではなく「価格」だけを保有の根拠としている場合には、急落に際してろうばい売りを招かないとも限らないと思います。
QCLNの構成銘柄
QCLNをはじめとした種々のETFの構成銘柄は、Bloombergのサイトでみることができます。(同サイトへのリンク)
代表的な銘柄について、事業分野とティッカーを並べると以下のような感じです。
- EV: TSLA,NIO
- 太陽光関連: ENPH, SEDG, ON, FSLR
- 燃料電池: PLUG
- リチウム(素材): ALB
NIOやPLUGは、まだ赤字です。他は黒字化していますが、PERは非常に高いです。
5年チャート(Yahoo Financeより):
クリエネ・セクターの参入障壁
個別銘柄ならばクリエネ・セクターを買えるか、という点については、私は「買いたくない」という意見です。あくまで私個人の意見ですが。
その理由には、まだ赤字の企業が多かったり、黒字化していてもPERが高かったりということもあります。
しかし何よりも「強固な参入障壁(ワイドモート)が確認できない」ことが、買いたくない最大の理由です。
ソーラー(PV)関連では、すでに大きく成長した企業が破綻した事例もあります。EVについても、テスラはある程度のブランドイメージがあるかもしれませんが、基本的には参入障壁の少ない(誰でも参入できる)分野です。
もちろん、米国政府の政策を受けて、市場全体は大きく拡大すると思います。しかし、その市場の中で個々の企業が長期的に潤沢な利益を上げられるかどうかは、また別問題です。
拡大する市場に参入者が一斉に群がる「子供のサッカー」状態(キーパー以外の全員がポジションを無視してボールに群がる状態)が目に浮かびます。
もしかしたら、QCLNなどのETFや、個別銘柄への投資で、資金を何十倍にも増やすことができるかもしれません。
しかし、「それを確信できるか」、あるいは「暴落しても自信をもって保有し続けられるか」と自問すれば、私は「ノー」と答えます。
もしかしたら、個々の銘柄をもっとよく調べれば、成長する市場の中で強固な参入障壁を築いている企業を見つけられるかもしれません。
投資と人生は自己責任で。
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