タイトルの話題に入る前に、最近読んだ本のご紹介です。
今日からFIRE! おけいどん式 40代でも遅くない退職準備&資産形成術
「おけいどん」さんという、Twitterなどネットで有名な方が書かれた書籍です。この方は、47歳で早期退職されたとのことで、実際の経験に基づく貴重な情報を得ることができました。
私も、そこそこ早期退職について勉強している方だと自負していましたが、自分の検討・調査に漏れがないか調べるつもりで読んでみました。
そして、やはり、いくつも見落としている点があったことに気づきます。
iDeCoって何?
その見落としの一つが、iDeCoに関するものです。
iDeCoは、個人型確定拠出年金のことですが、この「個人型」というところがポイントです。
私が勤めている会社は、「企業型」確定拠出年金(企業型DC)の制度をとっています。この企業型DCは、企業や種類によって異なるようですが、iDeCoとの併用はできないことが多いようです。
私の勤め先の企業型DCも、iDeCoとの併用はできないタイプでした。
ですので、このiDeCoなるもの、自分には無関係なものと思っていました。
60歳前に退職したら、iDeCoに切り替えないと損!
まず、個人型のiDeCoも、企業型DCも、60歳にならないと引き落とせない点では同じです。
企業型DCに加入している場合、60歳になる前に退職すると、加入から外されます。
この時、何もせずにほっておくと、「自動移換」という処理がなされます。この「自動移換」という制度、以下のように、結構ひどいもののようです。
- 資産運用できない
- 管理手数料を取られる
- 場合によっては、受給可能年齢が遅くなる
つまり、資産が増えることは決してなく、手数料を取られて、かつもらえる年齢が遅くなる可能性がある、ということです。加入者に何のメリットもありません。
これを避けるためには、企業DCの加入を外れてから6か月以内に、iDeCoへの切り替え手続きをしなければなりません。(6か月を超えてしまった場合の救済措置もあるようですが。)
これって、もし早期退職することになった場合、誰かが丁寧に教えてくれるものなのかなと疑問に思います。
定年の60歳まで勤めて退職するのが普通ですから、退職手続きをする人事部門の担当者の人も、こういう事情があることを、そもそも知らないかもしれません。ですので、彼らにこういう説明をしてもらえることは、期待できなさそうです。
周りに早期退職をした経験のある人がいなければ、iDeCoに切り替えずに損をしていることに、そもそも気づかないかもしれませんね。
国民年金の免除申請をした場合は例外
なお、早期退職後、収入がなくなるメリットを生かして、国民年金の免除申請をした場合は、iDeCoは使えないようです。
これはまあ、当たり前といえば当たり前ですね。iDeCoに加入する余裕があるのなら、まずは国民年金を払いなさい、ということなのでしょう。
退職後も拠出し続けると・・・
退職後は毎月68,000円を拠出することができます。
55歳で退職・加入して60歳までの5年間、毎月68,000円を拠出すると、その総額は3,876,000円。
毎年5%、つまり毎月0.41%で運用できれば、60歳時点で総額4,353,080円になります。利益は477,080円。通常の運用ならこれに約20%の税金約95,000円がかかりますが、これが非課税になります。
「たったの10万円弱?」と思うかもしれません。
しかし、iDeCoに切り替えるメリットはこれだけではなく、退職までに積み立てた企業型DC分の「運用」も引き続き行われるという点の方がメリットが大きいですね。
運用する商品の選択も重要
企業型DCにせよ、個人型のiDeCoにせよ、どんな商品で運用するかを自分で選ぶ必要があります。(というか、選ぶことができます。)
私の場合、サラリーマン生活の途中で企業型DCが導入されましたが、その時にはすでに中国株投資を始めていましたので、「外国株式100%」一択でした。まったく迷いはありませんでした。
導入当初は手数料の高いアクティブ型しか選択肢にありませんでしたが、その後手数料の安いパッシブ型が導入されたので、それに全額切り替えました。
ウェブサイトで、平均した年あたりの利率を確認することができます。時期にはよりますが、だいたい5%から7%の利率で運用できているようです。(なんと、自分で個別株投資をしているより、成績がよい・・・)
日本の金融リテラシの低さは深刻?
企業型DCの案内が定期的に送られてきたりするのですが、私の勤め先の場合、結構な割合の人が、ほとんど無利子の「日本円定期預金型」(初期設定)のままにしているのだそうです。
全額海外株式にしていれば5%から7%の利率で資産が増えていくことを考えれば、20年、30年経過したときの差は愕然たるものになるはずです。
勤め先もそのあたりは問題視しているようで、これらの「初期設定」の定期預金型の廃止を検討しているようです。しかし、日本人の「元本割れ」に対する拒否反応は相当なものが予想されます。うまくいかないかもしれません。
日本の学校では、実社会で必要なことなのに、教えてくれないことがたくさんあります。
タスク管理(スケジュール管理)とか、正確なコミュニケーションの取り方とか、そしてこの金融リテラシに関することとか。
自らが金融リテラシを持たない親御さんは、自分の子供にそれを教えることはないでしょう。
まあ、今はユーチューブとかでも、お金に関する有益な情報にアクセスすることができるので、もしかしたら子供自身が自分でそういう情報にアクセスできるかもしれません。でも、周囲の人の影響って、結構大きいと思います。
まとめ
先にご紹介した、「おけいどん」さんの書籍によって、早期退職後は企業型DCをiDeCoに切り替えないと損であることに気づきました。
それ以外には、以下のような気づきもありました。
- 所得が1000万円以下なら、「分離課税」ではなく「総合課税」にした方が、配当控除を受けられるのでお得。
- 国民年金は「付加年金」として、毎月400円余分に払った方が、(場合によりけりですが)基本的にお得。
- 国民年金は、2年分を先払いすることで、毎月600円お得になる。
- 台湾の半導体ファウンドリTSMCは、強力な独占力(参入障壁)を持っている。
最後のはちょっと毛色が違いましたが、非常に腹落ちしたので、時間があるときに調べてみたいと思います。
投資と人生は自己責任で。
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