有料老人ホームについて

サニーライフ北品川という有料老人ホームで、痴ほう症の入居者が介護職員に暴行を受けて死亡したというニュースがありましたね。

私はまだ定年前の年齢で、仮のこのような施設に入るとしてもまだまだ先だと思います。それでもいずれは通る道である可能性が高いので、こういうニュースにはついつい関心が向かってしまいます。

このニュースを聞いて最初に思ったこと。それは、「この事件の起きた施設って、どのくらいの入居費がかかるところなのか?」ということです。

考えられる心配は次の2つのどちらかです。

1. この施設が入所に何千万円もかかる高級な有料老人ホームであって、そんな高額の費用を払って入居しても、このような事件の被害にあってしまう。

2. この施設がそれほど高額ではない有料老人ホームであって、つまり、「安かろう、悪かろう」であった。

早速この施設のウェブサイトを見てみると、入所にかかる料金が提示されています。

まず、入所は無料。

そして、毎月の費用も介護保険が使えるかどうかによって上下していますが、いずれの場合も20万円とちょっとです。

普通にサラリーマンをやっていた人なら、年金でほぼ賄える金額です。

上に挙げた心配のうちの2、つまり「安かろう、悪かろう」である可能性が高そうです。

費用の内訳も記載されていますが、「介護サービス」にかかわる費用が一切含まれていません。つまり、介護保険で賄われる部分しか、サービスを受けることができないわけです。

こういう価格帯の需要が高いということなのでしょう。

私の勝手な想像ですが、わずかな介護保険料で十分な人員が割り当てられるはずもなく、また、保険の対象となる以外のサービスもほとんど受けることができないのではないでしょうか。(極端な話、「●●さん、調子はどうですか?」なんて声かけすら、ないかもしれません。点数にならないですから。)

働く介護職員にも相当負担がかかっているのだと思います。

だからと言って暴行が正当化されるわけではありませんが、当の介護職員の待遇が将来良くなる見込みもほとんどないでしょうし、「絶望」に近い心理状況に追い込まれていた可能性もあります。

高額な施設に入居すればこのような問題がないのかどうかまではわかりません。

しかし、低額な施設よりもサービスが充実していることは間違いないでしょう。

入所に2千万円とか3千万円、それに加えて毎年何百万円の費用。夫婦とも入所となると、費用は単純に考えて2倍です。

そんな額が払えるのは、開業医や弁護士、そして経営者など、ごく限られた人たちでしょう。

サラリーマンが一生懸命投資活動に励んだところで、積み上げられる資産は知れています。

新入社員時から一生懸命倹約に取り組んで、運用も平均して年5%くらいで回せて、部課長くらいの管理職まで昇進して、定年まできっちり勤め上げられれば、2億円くらいの資産は作れるでしょうか。

家も買わず、車も安いものですませ、海外旅行も我慢です。

でも、それが、介護が必要になってから死ぬまでの何年かの間を豊かに暮らすだけのための「犠牲」だと考えると、いったい何のための人生なのかわからなくなってしまいますね。

20年も経てば、介護に関連する技術も相当発展しているかもしれません。技術の力で、それほど裕福でない人でもちゃんとした介護が受けられるようになる日が来るのでしょうか。

なんか、暗い方向にばかり関心が向かいます。もっと楽しいことに目を向けるようにしなければなりませんね・・・。

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