IFFの1Q決算。一見順調だが注意が必要な点も

International Flavors & Fragrances Inc.(IFF)は、食品や化粧品用の香味料や香料を製造している企業です。

味や香りといった最終製品の品質を大きく左右する存在である一方で、最終製品のコストに占めるその割合はごくわずかであるため、最終製品メーカーにとって他社に切り替える動機が薄い(スイッチングコストが高い)といった強みを持っています。(ニッチ独占)

2018年にはイスラエルの同業フルタロム社を買収、2019年12月に旧デュポンの栄養・バイオ事業との合併を発表と、近年大きく変化をとげています。

同社の業績は最終製品の業績に大きく左右されそうです。必需品である食品の需要は固そうですが、化粧品の業績はコロナ禍の影響を大きく受けるかもしれません。

(余談ですが、この企業名とても長いですね。カタカナで「インターナショナル・フレーバー(ズ)・アンド・フラグランス」と書くとなおさらです。かといって、ティッカーで「IFF」と書いてもわかる方は少なそうですし。ちなみに、日本法人の名称は「アイ・エフ・エフ日本」だそうです。)

5/11に1Q決算が発表されました。(同社IRへのリンク

PLでみると売上4%増、営業利益20%増、最終利益14%増と順調に見えます。

しかし、営業キャッシュフローは64%減と、大きく下げています。

その主な要因は、売掛金(trade receivales)が2倍以上に大きく膨らんでいるためです。(上の図の赤丸で囲った部分)

同社のIRにはこの売掛金についての詳細は記載されていません。

常識的に考えると、顧客企業の支払いが滞っているか、契約条件(支払い条件)を変更していると想像されます。

最終的にちゃんと支払ってもらえればよいのでしょうが、顧客企業が破綻したり業績が悪化したりすると、この先IFFの業績にも影響が出るかもしれません。

5日間チャート:

1Q発表を受けていったん上げた株価ですが、その後ずるずると下げて、現在は決算発表前よりも値を下げています。

とはいえ、PERはまだ30超。

私の資産に占める割合は約3%とちょっと少なめですが、買い増しする理由もありません。現状維持、ノーアクション。

ただし、今後しばらくは四半期ごとの観察が必要です。(めんどくさいなぁ・・・)

投資と人生は自己責任で。

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