「保有する金融資産のうち、株式の割合は、110から年齢を引いた割合(パーセント)がいい」なんてことを、よく聞きます。
やり直しのきく若いうちは株式(リスク資産)の割合が多くてもいいけれども、年齢を経るごとに債権など安全な資産の割合を増やした方がいい、というわけです。
でも、これってほんとかな?
と思っています。
もちろん、年を取るほどリスク資産を減らすという考え方は正しいと思います。
しかし、
定年間近のサラリーマン
には、必ずしもこのルールを当てはめない方がいいのではと考えています。
上のルールに従えば、例えば、50代半ば、55歳くらいであれば、資産の約半分だけ株式にして、残り半分は債券で運用した方がいい、ということになります。
債券にはあまり詳しくないのですが、低金利なので利率0%として、一方株式の利率を控えめに5%とすると、株式半分のポートフォリオでは、たったの2.5%の利回りしか期待できません。
これでは、早期退職の夢も遠のきそうです。
株式フルポジでいいと思う理由
過去記事にも書いていますが、現在の私のポートフォリオはほぼ株式で構成されています。
正確には、今年の4、5月に香港株を売ってキャッシュ約20%になったのですが、その後ETF(VOO, 1655.T, BBH)や個別株(0914.HK, V)を買い増して、現在はキャッシュ約13%にまで下がっています。
今後も、収入から得られるキャッシュも含めて、徐々に株式フルポジに持っていきたいと考えています。
なぜか?
それは、今手元に持っている金融資産以外に、以下の2つの見込み金融資産があるためです。
- 退職金
- 年金
退職金の方は、ほぼ正確にもらえる額を計算できると思います。
難しいのは、年金の方です。なぜなら、自分が何歳まで生きるのかわからないからです。
年金の現在価値を計算してみる
「割引率」を想定することで、今後(永久に)一定額で収入が得られる資産の現在価値を計算することができます。
現在価値 = 毎年の収入 ÷ 割引率
この計算式については、「現在価値 計算式」で検索すれば、わかりやすく説明されたページが出てくるので、ここでは説明を省略します。
この計算式を使って、将来もらえる年金の現在価値を計算することができます。
割引率は、株式の想定利率と同じく5%だとします。
厚生年金の受け取り平均額は、ネットによると月当たり14万円台といわれていますから、仮に月14万円とします。
65歳になって年金受給開始する時点での年金の価値は以下のようにして計算できます。
受給開始時点の価値 = 年間受給額 ÷ 割引率 = 3,360万円
しかし、これはあくまで65歳時点での価値です。
仮に今55歳だとすれば、10年前の価値になるので、現在価値は以下のようになります。
55歳現在の価値 = 3,360万円 ÷ (1 + 割引率)^10年 = 約 2,063万円
フルポジのつもりが実際には・・・・
計算しやすくするために、以下のように想定します。
- 手元の金融資産 4,000 万円
- 退職金(見込み)2,000 万円
- 年金の現在価値 2,000 万円
この場合、手元の金融資産を株式100%にしたところで、退職金と年金を計算に入れれば、株式は50%、残りの50%は、「今すぐには使えない、無利息の現金」ということになります。
ですから、フルポジのつもりでも、実際には50%程度しかリスク資産に投資していない(できていない)ことになります。
もちろん、以上の議論は、あくまで退職金や厚生年金をもらえるサラリーマンに限った話です。しかし、このようなケースに該当する方も多いはずです。
今日現在、大統領選で米国株市場は浮かれているようですが、この先相場がどうなるかは、私には予想がつきません。
残り13%の手持ちキャッシュを、十分時間分散して、慎重に株式に変えていきたいと考えています。
投資と人生は自己責任で。
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