「尊敬する外国人は?」と聞かれれば、今なら例えば「ウォーレン・バフェット」とか答えるかもしれません(別に外国人に限定しなくてもよいのですが)。
しかし、一昔前には「マネジメントの父」と呼ばれるピーター・ドラッカーを崇拝していた時期があって、著書をいろいろと読みあさっていました。
雇われの身、サラリーマンであれば、日々一生懸命やっている仕事も所詮「他人が所有する事業」です。
いくらがんばって成果をあげたところで、せいぜい役職がついたり、上がったり、そして給料がほんのちょっとあがるだけです(絶対10倍にはなりません)。あとは、有名上場企業なら、新聞の人事欄にお名前が載って、ご近所や同級生にちょっとだけ誇らしい思いができるくらいでしょうか。
当時の若気の至りなのでしょう。「この事業をもっと発展させるためには、どうすべきか」とか、「我々の顧客は誰で、何を欲しているのか」などと、いろいろ本気で考えていたりしたものです。
ドラッカーの本も10冊以上読んだと思うのですが、正直な話し、どれもあまり頭の中に残っていないんですよね。
覚えているのは、「決して需要が減らないのは、教育と医療である」とか、「これからは養殖漁業の時代だ」とか、そのくらいかもしれません。あとは、「予想できることは少ないが、人口構成の変化だけはほぼ正確に予想できる」とか。
しばらく頭の中から忘れ去っていたドラッカーですが、先日たまたま読んだサイトで触れられているのを見かけました。
「成功するためには、何をしたいかを考えるのではなく、何をなすべきかを考えるべきである。」、「自分という資源を使って、何を成し遂げたいかを考える必要がある」と、ドラッカーは言っているんです。
「何を成し遂げたいか」の先には、他人だとか社会の存在があります。自分自身として何をしたいかではなく、他人や社会に対して何を成し遂げたいかを考えることが、成功の条件というわけです。
で、なぜこんなことを書いたかというと、この(社会のために)「何を成し遂げたいか」という問いへの答えに、「投資で資産形成して、不労所得を得たい」とか、「不労所得だけで生活できるようになって、いい歳こいて、毎日遊んだり、引きこもったりして過ごしたい」という大部分の個人投資家の願望は、絶対当てはまらないということが言いたかったのです。
でも、世の中そんな人だけになってしまうとうまく回りませんよね。
なので、せめてそういう「世の中への貢献」を目指している起業家を、投資家として支援してあげたいと思うのです。
なんちゃって。
(追記)
成功と幸福の違いについては、ウォーレン・バフェットがうまく言い切っています。
成功とはよいと思うものを得ること。
幸福とは得るものをよいと思うこと。