香港ドルは大丈夫?(その後)

2020年1月、年を明けてから香港のデモに関する報道も、新聞等ではあまり目にしなくなりました。かといって、現地に平穏が訪れたというわけではないのでしょうが。

昨年2019年の6月に、このブログで「香港ドルは大丈夫?」という記事を書きましたが、約半年経過した現状を再確認しておきます。

香港ドルは米国ドルに、「1 USD = 7.75~7.85 HKD」の幅でペッグしています。その幅は± 約 0.64%と非常に狭くなっています。

両者の5年チャートです(USD/HKD):

上に行くほど、「米国ドル高」つまり「香港ドル安」です。

2018年5月頃から2019年8月頃まで、多少のブレはあるものの、ほぼ「香港ドル安の下限」(米国ドル高の上限)である、1 USD = 7.85 HKDに近いところで推移していました。この頃には、香港の通貨当局である香港金融管理局(HKMA) が、ペッグ防衛のための介入を繰り返していたようです。

それが、昨年の12月頃から急激に「香港ドル高」に推移して、現在では「香港ドル高の上限」である、1 USD = 7.75 HKDに近いところまで来ています。

通貨間のレートは、両者の金利差に影響されます。

香港の政策金利は、香港金融管理局(HKMA)によって、常に米国の政策金利を「0.25%上回る」ように 決められているようです。

(データは、 https://www.gaitame.com/markets/seisakukinri/ から)

USD、HKD両者間の金利差はほぼ一定であるものの、為替レートはその金利自体にあわせて推移しています。つまり、金利が上がるとHKDが安くなり、金利が下がるとHKDが高くなる。金利が下がると、両者の0.25%の差が重みをもってくるためかもしれませんね。

香港ドルは、その発行銀行3行が香港ドル発券に対して相当額の米国ドルを預託する「カレンシーボード制」をとっています。つまり、米国ドルの信用の裏付けがある通貨であると考えてよいでしょう。

1997年のアジア通貨危機の際に、香港ドルも大量売りのターゲットになったようですが、このカレンシーボード制によって防衛できたようです。

まとめ

通貨としての香港ドルについては、米国ドルと同様の信用を持った通貨と考えておいてよいと思います。

しかし、結局は中国に飲み込まれる運命にある香港が、対立する米国の通貨にペッグした通貨を持っているという矛盾が、香港株式市場にどう影響するかは私には予想つきません。

米国株中心に投資を進めていますが、中国企業やカンボジアのカジノ企業ナガコープ(3918.HK)にも投資しています。

いっそこの機会に米国に切り替えてしまった方がよいのかもしれません。他の方から見ると、「保有バイアス」で保有し続けているように見えるかもしれません。

しかし、中国をはじめとするアジア諸国が21世紀の経済の中心になる可能性は非常に高いと思いますし、その成長への期待に対して、現在の香港上場株のPERは低い状態で放置されています。

  • Nasdaq ― PER 32.31
  • NYダウ ― PER 19.36
  • 香港ハンセン ― PER 10.79

https://www.ginkou.info/per/index.html から)

私の注目銘柄のPERも以下の通り。

  • 0177.HK ― PER 11.64
  • 0371.HK ― PER 7.75
  • 0384.HK ― PER 17.79
  • 3918.HK ― PER 15.95

びくびく恐れながらも、香港上場株式への投資を続けていきたいと思います。

投資と人生は自己責任で。

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