アマゾンのEコマースを脅かすもの

アマゾン(AMZN)の「本業」であるEコマース事業を脅かす存在が現れつつあります。

ひとつは、ナイキに代表される「脱アマゾン」の流れ、もうひとつは、ウォルマートのEコマース事業の躍進です。

私は、GAFAと呼ばれるITハイテク銘柄はアマゾン一択で良いと考えています。「消費者のためになることなら何でもやる」というポリシーで、次から次へと新しいサービスを生み出していく力に期待しています。

しかし、以下にあげるようなリスクもはっきりしてきたので、大きなポジションをとるのは避けたいと思います。最悪ゼロになっても資産に致命的な影響を及ぼさない範囲にとどめておいたほうがよさそうです。

脱アマゾンの流れ

先日、ナイキがアマゾンの直営サイトでの自社製品の販売打ち切るという報道がありました。

有力ブランド、アマゾン離れも ナイキが供給打ち切り(日経新聞)

ナイキの撤退理由は、「模倣品の出品がなくならなかったから」とのことです。それ以外の企業でも、アマゾンに不満があれば同じような動きが加速するかもしれません。

Shopify(SHOP)のサービスを使えば、スモールビジネスでも簡単にECサイトを立ち上げられるようです。

配送についても、北米だとUPSがShopifyと連携したサービスを提供しています。日本でも、シッピーノという自動出荷のサービスがあり、Shopifyで作った自社サイトと連携させることができます。

ECサイトは、アマゾンや楽天などの「モール型」と、自社で立ち上げる「自社サイト型」に分けられます。

ナイキのように強いブランド力があれば、消費者もわざわざナイキの自社サイトに行って注文することを厭わないでしょう。

スモールビジネスでも、SNSで宣伝して自社サイトに誘導できれば、アマゾンに頼らずともEコマース事業を成立させることは十分可能でしょう。

もっとも、少なくとも北米や日本では、アマゾンがモール型の圧倒的勝者ですから、「アマゾンを使いたくない」という積極的な理由がない限り利用され続けるでしょうけれど。

ウォルマートのEコマース事業の躍進

先日好決算をたたき出したウォルマートですが、その好調の大きな要因がEコマース事業の成功にあるようです。

ウォルマート最高値、見直される実店舗の価値(NY特急便)(日経新聞)

生鮮宅配、冷蔵庫まで ウォルマートがアマゾン追撃(日経新聞)

生鮮食品をネットで注文して、その日のうちに店舗で受け取るBOPISというサービスが消費者に受けているようです。すでに北米に店舗をたくさん持っているウォルマートだからできることであって、アマゾンが同じことをするには多額の投資が必要になります。

スーパーに食料品を買いに行くのって、広い店舗をあちこち歩きまわってお目当てのものを探し出さなければならないし、ながーいレジの列に並ばなくてはならないし、結構消耗する行為ですよね。日本でも同じようなサービスがあれば、ぜひ使ってみたいです。

また、特殊なカギを使って家の中の冷蔵庫に直接届けてくれるサービスもあるようです。こちらは、アマゾンでもやろうと思えば真似できそうですね。

アマゾン株への投資について

実績PER 77、予想PER 64と、株価は相変わらずバカ高いです。

5年チャート:

Eコマースには、ウォルマートのような巨人に加えて、新しいテクノロジーをひっさげたユニコーン候補も参入し、競争は激化する一方です。

アマゾンを盲信するのではなく、同社が形成する「堀」を注意深く観察し続ける必要があります。

また、先にも書いたように、保有するとしても、万が一に致命的にならない程度のポジションにとどめておいた方がよいと考えています。

投資と人生は自己責任で。

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