米国最大手のデルタ航空を、バフェットの買値の半分で買えるチャンスだけれど

コロナウイルス感染拡大に伴い米国の主要都市が次々と閉鎖され、様々な業種に影響を及ぼしています。

大きな影響を受ける業種の一つに航空会社が挙げられますが、その最大手デルタ航空(DAL)の株をバークシャーが買い増したと、3月初めに報道されました。

6か月チャート:

報道当時の株価がだいたい46ドルくらい。今は少し株価が戻していますが、一時は20ドルを切るところまで下げています。今後も再度下げていく可能性があります。

意外と業績がいい米国の航空会社

私は航空会社には投資先として良いイメージを持っていません。

昔読んだジム・ロジャーズが書いた本に「とにかく航空会社の株は買うな」と書かれていたのが強く印象に残っています。(そのロジャーズ氏も、今では大韓航空の株を推奨したりしていますが・・・)

空港の発着枠という既得権益以外に参入障壁といえるものもないので、価格競争に陥りやすいというのが、投資に値しないと考えていた理由です。

あと、私の親族が昔優待目当てでJALの株を持っていたのが、同社の破綻で紙屑(いや、紙すらないですが)になってしまったのを見ていたせいもあります。

私は米国本土にはしばらく行っていないのですが、20年くらい前に行ったときにはいろんな航空会社がひしめき合っていた印象があります。

ところが現在では、航空会社の破綻や買収が進み、ほぼ以下の4社に集約されています。

  • デルタ航空(DAL)
  • アメリカン航空(AAL)
  • ユナイテッド航空(UAL)
  • サウスウエスト航空(LUV)

売上ではDALが現在首位ですが、AAL、UALもほぼ同規模です。運用機数はDAL 約1,000機、AAL 942機、UAL 791機(Yahoo financeより)。

LUVは、機体をボーイング737に統一する、主要空港を避けて地方の安い空港を使う、座席予約なし、機内サービスなし、国内線と近郊国際線に特化、など他社とは違う路線でサービスを提供していることで良く知られています。

これら4社とも、配当よりも自社株買いによって潤沢な株主還元を行っていることで共通しています。そのため、ROEも高くなっています。(AALは自社株買いが進んだことによる債務超過なので、ROEはN/A)

  • 銘柄 / ROA / ROE
  • DAL / 6.66 / 32.83
  • AAL / 4.03 / N/A
  • UAL / 5.62 / 27.90
  • LUV / 7.07 / 23.37

ちなみに、日本の航空会社のROAとROEは以下の通り。

  • JAL(9201) / 7.76 / 13.55
  • ANA(9202) / 4.22 / 10.61

DALの自社株買いと配当の額の推移です。

コロナにより大きなダメージを受けるが長期的には安心?

コロナ騒動はいつかは収まるとしても、それまでの間に破綻することがないかどうか、というのが重要なポイントです。(航空会社に限った話ではなく、すべての企業について言えることですが)

ネットで見かけた意見ですが、4つにまで絞られた航空会社が破綻の危機に陥っても、政府による支援が期待できると書かれていました。本当にそうかはわかりませんが、私もそう期待できると思います。広大な国土を持つアメリカにとっての航空会社の重要さは日本の比ではないでしょうから。

また、バークシャーによる支援も十分期待できるでしょう。

他社に比べてDALがいい理由

これもネットで調べただけの情報ですが、DALは他の航空会社に比べて以下のような利点があるようです。

  • 最新の航空機はあまり購入せず、中古の航空機を運用している。特に、事故を起こした737MAXは保有していない。
  • 古い航空機を安全に運行させられる技術力を持っている。

DALを買うか?

バフェットが買った価格の半分で買えるチャンスなんてめったにないことだと思います。

ただ、バフェットとはいえ、クラフトハインツ(KHC)のようにしくじることもあります。盲目的に追従するのはよくないですね。

週開けたらすぐに反騰なんてことはないでしょうから、まだ考える時間がありそうです。

今まで毛嫌いしていた航空会社を、「10年、20年保有するに値する企業」かどうか、もう一度考え直してみたいと思います。

投資と人生は自己責任で。

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