前回に引き続いて不動産投資ネタです。
いま、レオパレス(8848.T)の施工不良問題が世の中を騒がせていますが、同じ「一括借り上げ(サブリース)」業態をとっている企業に、大東建託(1878.T)があります。
同社についての暴露本が出ていましたので、不動産投資の勉強がてらに読んでみました。
なお、同社についてのネガティブな内容がほとんどなので、私自身の意見は避けて、本書に記載されている事実のみを追ってみます。
顧客(地主)に関わる話
- 富山に土地を持つMさん。総工費8700万円のアパートを「自己資金は200万円だけ。あとは融資でまかなう」、「30年一括借り上げ」の言葉を信じて契約。しかしその後「着工金680万円」を求められ支払った上に、土地の残債を消すために1000万円の支払いも求められた。決まった融資も、当初の1.45%が、2%に。事態に気づいた息子が介入して、解約に。
- 新潟のNさん。2億5000万円で年間賃料2000万円が見込める物件を契約。返済を差し引いて700万円が手元に残るはずだった。しかし、「30年一括借り上げ」と思っていたのに、10年経過した途端に家賃の引き下げの通知。さらに、その後新潟に大東建託のアパートが乱立するという追い討ち。
社員(従業員)に関わる話
- 藤枝支店のYさん。融資を取るために行った契約変更に伴い、顧客の自己負担が770万円増加。解約しようとする顧客を引きとめるために、この金額を上司と本人で自腹で負担。本人の負担は360万円。さらに連日15時間の長時間労働。その後自死。
- 社員にPHSを所持させ、発信電波を利用して常に行動を検知していた。上記のYさんは、夜8時頃に子供を風呂に入れるために一旦帰宅していたが、会社にバレないようにPHSは他の場所に置いていた。その後は、再度出社。夜の営業へ。
入居者に関わる話
- 2000年ごろから雨漏りのクレームが多発。原因は外壁の内側に取り付けた雨樋の不具合。それ以外にも、漏水、建てつけなどの不具合が頻発。
その他
- 2010年度の株主総会で、創業者かつ大株主である多田勝美会長の年間報酬が2億5800万円に登ることが明らかになった。同氏はその後株式を売却し、現在は外資系ファンドなどが大株主。
- 以上あげたような事実について、新聞、テレビといったメディアが取り上げることはない。著者は広告主への遠慮が原因と推測している。
内容の一部しか書ききれていません。詳しくは本書を見てみてください。特に、不動産投資を考えている方、不動産企業への投資を考えている方、あるいは、不動産業界に就職しようとしている方は、読んでおいてそんはないと思います。
最後に
渦中のレオパレスと、今回取り上げた大東建託の株価推移(5年チャート)をあげておきます。
本書で一番心に残った言葉 - 知識は武器