「賃貸派」から「持ち家派」への転換?

「賃貸派」だった理由

住宅について「賃貸派」と「持ち家派」の論争は、よく目にするところです。

私はこれまでずっと賃貸派でしたし、家も買ったことがありません。賃貸派の理由は人によってさまざまだと思いますが、私の場合は以下の通りです。

  • 住む場所・地域に縛られない。
  • 金銭的に縛られない。

住む場所・地域に縛られない

賃貸のメリット、裏を返せば、持ち家のデメリットの最大のものがこれです。

近隣におかしな人が引っ越してくるかもしれません。でも、賃貸なら引っ越してしまえばすぐに問題解決。まあ、そんなことはめったに起こらないとは思いますが。

災害で住んでいる家や地域が被災するかもしれません。でも、賃貸なら、交通インフラが復活する数日さえ耐え忍べば、安全な場所に簡単に引っ越すことができます。日本全国どこに住んでも地震のリスクは高いですから、こちらの方が可能性は高そうです。

そして、住む場所に飽きれば、気分次第でどこにでも引っ越すことができます。なんなら、日本でなくても海外に住むことも(ビザ次第ですが)可能です。

金銭的に縛られない

住宅は大きな買い物ですから、ローンを組むことになります。ローンの返済が滞れば、延滞金を請求されたり、最悪住宅を取り上げられたりします。

幸い、株式投資によってある程度まとまった資産ができたので、住宅価格によっては即金で購入することもできます。

しかし、その分、株式投資に投じる資金が減りますから、「不労所得」も減ることになります。

住宅は基本的に時間とともに価値が下がります。株式投資なら、時間とともに複利の効果で価値が上がっていたものが、逆に徐々に価値を減らしていくことになるのです。

賃貸派であることに少し不安を覚えた

個人的な理由で、いま転居の計画を進めています。

賃貸から賃貸への転居です。

よく「歳を取ると借りにくくなる」と言われます。

でも、以下のような理由でそれほど心配はないと考えていました。

  • 保証人はたいてい保証会社を立てるので、なり手を探す必要はない。
  • 収入がなくても、たとえばURなら「家賃の100か月分の貯蓄」があれば問題ない。
  • これから高齢化が進むので、それを断っていては大家も困るはず。

これらの理由はそれほど間違っていないと思います。

高齢者の賃貸契約の落とし穴

しかし、今回、賃貸契約をするうえで不安を覚えたのは「緊急連絡先」を求められることです。

これまでは、自分の親を緊急連絡先にしてきました。しかし、今回親が高齢ということで賃貸業者から難色を示されたのです。

今回は、なんとか他の身内を頼って緊急連絡先になってもらうことができました。

しかし、周囲も自分と同様に年齢を重ねていきます。将来もおなじように受けてもらえるかどうかわかりません。

それに、身内とはいえ、他人様に何かをお願いする、頼らなければならないことがあるというのは、あまり気持ちのいいものではありません。

とうぜん世の中には、このような緊急連絡先のなり手がいない方もたくさんいるので、そういう人向けにお金で解決してくれる方法もあるようです。ネットで「賃貸契約 緊急連絡先」で検索すると、それらしいサービスが出てきます。

しかし、ちゃんとしたビジネスとして成り立っているというよりは、NPO的に支援活動としてやっているような雰囲気です。まあ、それはそれでいいのですが、単に「お金で解決」したい人には、心理的な抵抗があるかもしれません。

持ち家のメリットを考えてみる

最近SNSで、「自分自身を賃貸の顧客」として考えれば、持ち家の方が絶対お得、という意見を目にしました。

不動産投資家として他人様に家を貸すことによって、収入を得ることができます。銀行でローンを組んで利息を支払っても、その利息以上の家賃収入を得ることができれば、毎月収入を得ることができます。

逆に言うと、賃貸に住むということは、その収入に相当する金額を負担しているということです。

持ち家にすることによって、少なくとも自分の分については、その収入を手にすることができるという発想です。

このご意見には納得するところがありました。

家を買った場合のキャッシュフロー

先ほど書いた通り、現在保有している株式を売却すれば、そこそこの価格の住宅を「即金」で買うことは可能です。

しかし、同じ資金を株式投資に投じていれば平均して年5%から7%のリターンがあることを考えると、やはり直感的に「もったいない」と思ってしまいます。

金銭的なメリットを考えるのなら、ローンを組んだ方がお得そうです。

今どのくらいの金利でローンが組めるのか。ネットで調べると1%を切るものも多そうです。

仮に、5000万円の家を買って1%の金利を支払うとすると、年間50万円の「金利支出」になります。

もちろん、元金も返却する必要があります。30年ローンで、毎年同額の元金返済をすると、年あたり約170万円。

金利50万円と元金返済170万円をあわせると、年220万円。月あたり約18万円。家賃にすると結構いい値段(高いという意味)です。

しかし、これはあくまで「1年目」の話です。

年々、借りている元金は減りますから、その分金利も少なくなります。

30年ローンの最後の年で、金利がなくなったとすれば、元金170万円、月あたり約14万円。

そして、それ以降は「家賃負担なし」の状態が続くわけです。

実際には、固定資産税の支払いもありますし、マンションなら管理費も必要です。

もうちょっと正確な試算が必要です。

家を買うのなら退職前に決断が必要!

じっくり時間をかけて試算をしたいところですが、住宅ローンを組むのならサラリーマンの属性が不可欠ですから、退職前に家を購入する必要があります。

できればあと1年、長くても2年くらいで早期退職したいと思っています。

しかし、「自らの意思で退職」という人生一度きりの大きな決断に加えて、「家を購入」というこれまた人生一度きりの大きな決断をしなければなりません。

家を購入しないとしても、「住宅ローンを組めるチャンスをあきらめて早期退職をする」という決断が必要です。

これから先の1年、2年、「ぼーっと」生きているわけにいかなさそうです。

ああ、しんどい・・・

おまけ

もう一つ、住宅に関する選択肢で私が興味を持ったのが、「ホテル暮らし」です。

俳優の矢﨑滋さんが、某チェーンホテルに毎日宿泊されていると聞いたことがあります。1泊だいたい5000円、月で15万円。ちょっと高そうに思えますが、光熱費、食費(朝食)が含まれているうえに、掃除やシーツ替えもやってもらえることを考えると、結構お得ということだそうです。

しかし、この案については同居人から「嫌」と一蹴されてしまいました・・・

投資と人生は自己責任で。

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Twitter: @shuminotoushi