いままであまり意識していませんでしたが、「退職金」って日本独特の制度のようです。
すべての国を調べたわけではありませんが、例えばアメリカでは、退職金など「そもそもない」か、あっても「次の職を見つけるまでの当座の生活資金」程度くらいなのだそうです。
(あちらでは、いきなりその日に「あなたクビ。30分以内に私物まとめて建物から出て行って」といわれるそうですし。)
ちょっとググった程度ですが、日本の退職金制度の起源は、江戸時代の「奉公明けののれん分け」にあるようです。
そして、それが戦後の右肩上がりの時代に、企業が従業員を囲い込むために、「途中で退職すると損するぞ」というシステムを作ったことにより、今の制度が完成したようです。
「資産」と考えてよいの?
まあ、資産といえば資産なのでしょう。私もそう考えて、資金計画を立てています。
毎年年度末に、「今年の退職金積み立てはこれだけで、累計でこれだけですよ」という通知が来ます。会社から。これは「確定給付型」の退職金(年金)の分です。
しかし、昨年度まで「積み立ててきた」分に、一切利息は付いていません。
この額は「今、自分が持っている額」ではなく、将来(最長で60歳の時に)退職した時にもらえる額なのです。
でも、今すぐ退職しても同じ額をもらえます。
つまり、事実上無利子で預けているわけです。
自分が働いている企業の決算書を見れば、おそらくバランスシートの「長期負債」のところに「退職給付引当金」のような費目があるはずです。(なければヤバイ?)
会社にとっては「負債」。それを貸しているのは「従業員」。
「確定給付型退職金(年金) 」とは、無利子の債権のようなものということです。
しかも、デフォルト(債務不履行)のリスクもあります。
会社の経営が傾いて支払えなくなるケースもあるでしょう。税金の方が支払いの優先度は高いようです。
もっとも、昨日まで好調だった企業がいきなり経営破綻になるなんてことは、おそらくないでしょう。ちゃんと「前兆」があるはずです。(投資先の海外企業の決算だけではなく、自分の勤め先の決算もちゃんと見ましょう・・・)
自分が(意図していないにせよ)不祥事を起こして懲戒処分を受け、退職金未払いとなるリスクもあります。
もっとも実際には「退職金はそれまでの勤務に対する対価」という考え方が司法上もあるようなので、よほど会社に損害を与えない限り支払ってもらえるようですが。
今すぐ払って欲しいんですけど・・・
ですよね。
そろそろ米国市場も「暴落」が来てもおかしくないので、その時にがっつり仕込みたいです。
でも、そのためだけに退職して、その先の収入をあきらめる決断は、難しいと思います。
「私のお金なんだから、すぐに払ってよ」と人事部に向かって吠えたところで、問題児扱いされて終わりでしょう。
「働き方改革」の次には、この辺に焦点が当たらないものでしょうか・・・。
でも、そうなるとその分企業の「キャッシュ」が減ることになります。そのせいでつぶれてしまっては、元も子もないですね・・・。
確定拠出型年金(退職金)
こちらは勤め先がつぶれようがどうしようが、別途運用会社によって管理されているので大丈夫です。
ただしもらえるのは60歳になってから。
「自分で運用できる」と言いつつも、選択肢はそれほど多くありません。
私は制度導入時から「海外株式100%」です。
チェックする時期によりますが、先日見ると「これまでの運用実績7%超」でした。
「負けた・・・。」
自分で運用するより、はるかに良い成績でした。
しかし、毎月拠出できる額はせいぜい数万円です。60歳になってもらえる額も知れています。
余談ですが、選択できる運用先を「初期値」の「日本国内債券」のままにしている人が大半なのだそうですね。
「日本円で元本割れしない国内債券がいい」という考えの前に、「自分で意思決定して損するのが嫌」だから初期値のままの人が多いのでしょう。
「60歳になってもらえる額も知れています 」と書きましたが、毎年0%と7%では、20年、30年後の結果は大きく違ってきます。
7%で10年回せば、ほぼ2倍。20年ならほぼ4倍です。
長期的には債権よりも株式の方がリターンがはるかに大きいことが分かっています。シーゲル教授の「株式投資」や「株式投資の未来」に書かれています。
自分が日本に住んでいたり、毎月の給料を日本円でもらっているからといって、投資先の企業を日本だけに限定する合理的な理由はありません。
ですので、選択肢は「海外株式100%」 以外にないはずです。
投資と人生は自己責任で。
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