日経ビジネスの先週号の記事です。
ノリエリ・ルービニさんという経済学の教授が書いた記事です。
このルービニさん(Dr. Nouriel Roubini)について検索してみると、別名「終末博士(Dr. Doom)」と呼ばれる、リーマンショックを予測したことで有名な、「その世界では知らない人はいない」人のようです。(素人の私は知りませんでした。恥ずかしい・・・)
で、この記事の内容ですが、簡単にまとめると「トランプ政権による貿易戦争や米国第一主義、そして中国や新興国による報復により、インフレ、金利上昇が世界中に伝播する一方で、各国の成長も低迷する。そして、その時に各国中央銀行は、リーマンショックの時に見せたような策をとることはもはやできない。」ということみたいです。
不況(stagnation)とインフレ(inflation)が同時に起こるスタグフレーション(stagflation)がやってくるというわけです。(そして、そのきっかけは、2020年の大統領選で国民の目を海外に向けたいトランプ政権によるイラン攻撃がきっかけになるだろうとも書かれています。)
日本だと、1970年代前半のオイルショック時にスタグフレーションが起きたことが有名です。
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で、このブログで議論すべきは、「個人投資家は、スタグフレーションに備えて何をすべきか?」ということですね。
まず、インフレなのですから、キャッシュはあまり持つべきではないでしょう。
では、めいっぱい株式を持っていればよいのか?ということですが、もし上の記事が本当なら結構長い間不況が続くはずです。
景気に左右される業種の銘柄であれば、株価も長期間低迷するでしょうし、そもそもその企業の業績が悪くなり、最悪倒産、なんてことにもなりかねません。
ということは、景気に左右されないディフェンシブ銘柄でポートフォリオを埋めておく、というのが、スタグフレーションに備えた正しい選択だといえるでしょう。
これまでこのブログで挙げた銘柄でいえば、以下のようなものが適しているかもしれません。
- Waste Management(WM)
- Philip Morris(PM)
- Johnson & Johnson(JNJ)
- International Flavors and Fragrances(IFF)
- China Gas(0384.HK)
- Beijing Enterprises Water(0371.HK)
本当に2020年にスタグフレーションが来るのかどうかはわかりません。ネットを検索すると数年前にすでに「そろそろスタグフレーションが来る!」みたいな過去記事も見かけました。
来るか来ないかわからないけれど、来た場合に困らないようにする。ということで、買い増しのためのキャッシュをためておくよりも、ディフェンシブ銘柄を買い進めたほうがよさそうかも。
(余談)
最近何度か取り上げたChina Gas(0384.HK)ですが、株価低迷の理由の一つと思われる情報を見つけました。ちょっと古い記事ですが・・・
1000万人が凍える中国「暖房変換政策」の失態(日経ビジネス)
中国の農村部では、大気汚染防止を目的として、「媒改気」や「媒改電」と呼ばれる、石炭の利用をガスや電気に置き換えるという政策がとられているようです。
ただ、天然ガスの供給が不足するなどして、石炭の使用を止められた住民が凍えるような寒さに耐えなければならず、不満がたまっているようです。
これについては、まだ勉強不足なので、調べて新しいことが分かったらここに書きたいと思います。
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