私は米国株中心、あとは中国株(香港上場)とその他アジア関連の銘柄に投資しています。
日本株は、今は基本的には保有していません。その理由はいくつかあります。
日本の企業で働いて身をもってわかることですが、日本の労働関連法ではよほど不祥事でもない限り労働者を解雇できないので、古い会社はどこも「使えない人」であふれかえっています。そういう労働力の硬直化が低い生産性につながっている部分が大きいと思います。
また、内需の面でも少子高齢化により、介護などの限られた分野を除いて需要はしぼむ一方ですし、特にマンションなどの不動産業界はこれから大変なことになっていくと思います。
輸出のかなめの自動車業界も、いわゆるCASEの流れに、サラリーマン社長が経営する日本の大手自動車企業が追いついていけるとは思えません。
ですので、日本株というより日本の将来そのものにあまり希望は持てません。
しかし、日本株で唯一関心があるのが、(おそらく)日本独自の制度である「株主優待」です。
株主優待で有名な桐谷広人さんの記事が日経新聞にときどき掲載されていますが、実に800近い銘柄を保有されているようです。それだけの優待サービスがあると、それを使い切るのにも相当努力されているようです。
優待サービスというと、自社製品とかカタログギフトのイメージを持っていました。以前サンリオの株を持っていたことがあるのですが、年に1回、キティーちゃんやマイメロディーのグッズをもらって、使い道に困ったこともありました・・・(;^ω^)
しかし、そういう物品ではなく、クオカードのような金券を優待サービスでくれる企業が多いことを知りました。
マネックス証券のウェブサイトで「優待内容で探す」、「金券」で検索すると400以上もの企業がヒットします。
お盆休みの暇つぶしにちょっと調べてみることにしました。
次の条件で絞り込んでみます。
- 配当利率と優待利率を合わせた「総合利率」が5%以上。
- 優待が得られる最低購入金額が15万円以下。あくまで遊びで買うつもりなので、それより大きな金額はパスです。
- 優待の条件として、(1年以上など)一定期間の保有が必要なものはパス。
絞り込んだ結果です。いずれももらえる金券は、クオカードです。
コード, 最低金額(円), 配当利率, 優待利率, 総合利率, 業種, 銘柄名
3299, 56,700, 5.29%, 1.76%, 7.05%, 不動産, (株)ムゲンエステート
3467, 41,300, 4.36%, 2.42%, 6.78%, 不動産, アグレ都市デザイン(株)
7256, 71,900, 5.01%, 1.39%, 6.40%, 自動車関連, 河西工業(株)
8772, 58,200, 2.58%, 3.44%, 6.01%, 金融, (株)アサックス
7192, 111,300, 3.14%, 2.70%, 5.84%, 金融, 日本モーゲージサービス(株)
1420, 62,800, 3.98%, 1.59%, 5.57%, 不動産, サンヨーホームズ(株)
5989, 61,700, 4.21%, 1.62%, 5.83%, 自動車関連, (株)エイチワン
9769, 130,200, 4.61%, 0.77%, 5.38%, 教育, (株)学究社
3489, 110,100, 2.72%, 2.72%, 5.45%, 不動産, (株)フェイスネットワーク
9995, 40,700, 2.95%, 2.46%, 5.41%, ―, (株)グローセル
3023, 80,200, 4.74%, 0.62%, 5.36%, ―, ラサ商事(株)
7215, 71,900, 4.03%, 1.39%, 5.42%, 自動車関連, (株)ファルテック
7872, 61,800, 4.37%, 0.81%, 5.18%, ―, エステールホールディングス(株)
2374, 47,500, 3.16%, 2.11%, 5.26%, 介護, セントケア・ホールディング(株)
1430, 58,400, 3.42%, 1.71%, 5.14%, 不動産, ファーストコーポレーション(株)
3209, 67,500, 3.70%, 1.48%, 5.19%, ―, カネヨウ(株)
8904, 93,600, 4.06%, 1.07%, 5.13%, 不動産, (株)サンヨーハウジング名古屋
4082, 77,700, 2.57%, 2.57%, 5.15%, 自動車関連, 第一稀元素化学工業(株)
6615, 75,300, 3.98%, 1.33%, 5.31%, 自動車関連, ユー・エム・シー・エレクトロニクス(株)
4668, 95,200, 3.15%, 1.05%, 4.20%, 教育, (株)明光ネットワークジャパン
最後の4668は、5%を切っていますが、3年以上保有するともらえるクオカードが1000円から3000円に上がるので、リストに入れています。(3年後の総合利率は6.31%)
利率がよいということは、一般的に人気がない銘柄ということです。実際、不動産とか自動車関連(特定メーカ向けの部品など)など、あまり人気がない業種が多いです。
仮に遊びで買うのであっても、長期投資家としては、今後10年業績が安定していそうな企業を選びたいところです。
そういう視点から見て、いくつかピックアップしてみます。
日本モーゲージサービス(7192)― 総合利率 5.82%
フラット35などの住宅向け金融企業です。業績も右肩上がり。ROEも20%を超えています。
17.3から配当を開始。20.3は100株に対して、3,500円の配当と3,000円のクオカードをもらえます。さらに、1年以上保有で4,500円相当、3年以上なら9,000円相当 のカタログギフトももらえます。
最低購入価格が11万円超と少し高いのがネックです。
サンヨーホームズ(1420) ― 総合利率 5.57%
住宅の設計・販売をやっています。不動産関連は基本的にパスですが、同社はシニア向けマンションに参入しており、今後期待できるのでピックアップしました。
ROEは5.5%とちょっと低め。100株62,800円に対して、2,500円の配当と1,000円のクオカード。
でも、不動産はやっぱりちょっと怖いかな?
学究社(9769) ― 総合利率 5.35%
「東京西部地盤に小中学生向け塾『ena』展開。都立中高一貫校受験に強み。」(四季報より)
学習塾は、ブランド力がものをいう業界だと思っています。親は有名な塾に子供を入れたがるので優秀な子供が集まってくる。優秀な子供がよい進学先に合格するので、ますますブランド力が高まる、という好循環。
同社の実際の評判はわかりませんが、23%という高いROEが強いブランド力を示唆していると思います。
最低購入価格は約13万円と少し高め。配当は16.3から100株6,000円を維持。1,000円のクオカード。
エステールホールディングス(7872) ― 総合利率 5.18%
宝飾品の生産・販売から、眼鏡事業や飲食・食品販売へ業種拡大中。眼鏡はT.G.C(Tokyo Class Company)というブランドです(聞いたことない)。食品は「こととや」というセレクトショップと、Village/Vanguard Dinnerというハンバーガーショップ(こちらも知らない・・・)。
クオカードは500円とちょっと少なめ。同社の10,000円分の商品(ジュエリー)ももらえますが・・・。
セントケア・ホールディング(2374) ― 総合利率 5.23%
桐谷さんの日経新聞の記事でも推奨されていた銘柄です。
デイサービス(訪問介護・入浴等)を手がけています。需要は増えていきますが、競争も採算も厳しい業界です。
ROEは9%。日本企業としては、まあまあ。
最低購入金額が今なら5万円を切っているので、お手軽です。クオカードも1,000円分もらえます。
明光ネットワークジャパン(4668) ― 総合利率 4.21% (3年保有で6.31%)
学究社(9769)と同じ学習塾ですが、こちらはよく看板などをみかけますね。
先ほども書いた通り、3年継続保有しないと、総合利率は5%に届きません。
ROEは4.6%と、ぱっとしません。利益も2016年から減益傾向です。配当も19.8は減配です。
結論
いますぐ買っていいと思えるのは、セントケア・ホールディング(2374)くらいかな?どうせたいした金額ではないですし。
日本モーゲージサービス(7192)もいいですが、11万円超は遊びで買うにはちょっと高いかな。もう少し勉強が必要。
(当たり前ですが)1人で100株分しか買えません。ご家族のいる方は、ぜひ「活用」しましょう。
さいごに
配当利率と優待利率を単純に足していますが、前者には20%の税金がかかることに注意が必要です。(優待への課税も、法的にグレーだと聞いたことがありますが、実際に課税されたという話は聞いたことがありません。)
せっかくのお盆休みですが、節約のために旅行にも行かず家でじっとしているものの、本や映画といったインプットも今はおなかいっぱいなので、ちょうどいい「遊び」になりました。
結局私は、こうやって「不労所得」を得るためにあれこれ調べものをやっているのが楽しいのかな?