連休中の「課題図書」として、シーゲル教授の「株式投資」を読んでいます。
続編の「株式投資の未来」の方はすでに読んでいたのですが、「株式投資」の方も投資に関わる名著と呼ばれていますので、一度は読まなければと思っていました。
いざ読み始めると、すでに続編を読んでいることもあり、あまり新しい発見がなく、どうしてもページを「早送り」して読み飛ばしがちです。
しかし、さすがに「名著」と呼ばれるだけあり、「目からうろこ」の学びがありました。
それが、インフレによるキャピタルゲイン税の増加に関することです。
・・・キャピタルゲイン税は購入時の価格(名目価格)と売却時の資産価値(価格)の差額に対して課され、その際にインフレは考慮されない。こうした名目ベースでの税制では、たとえ資産価値の上昇率が物価上昇率よりも低かった場合 ― 購買力が低下した場合 ― でも、課税は免れないことになる。
(「株式投資」, P. 77)
説明は不要と思いますが、一応例を挙げて説明します。
1000円で購入した株式を1500円で売却したとします。キャピタルゲインは500円ですが、日本だと税率20%なので100円課税され、受け取るのは1400円になります。
しかし、購入から売却の期間に50%のインフレが発生していれば、名目上は500円のキャピタルゲインがあるものの、実質的にはキャピタルゲインは0円です。
キャピタルゲインが0円なのにも関わらず、100円の税金をとられてしまうわけです。
インフレ税をどうやって避けるか?
現在のところ日本では大きなインフレは発生していませんが、今後10年先、20年先、何がどうなるかわかりません。
この「名目上のキャピタルゲインにかかる税」を避けなければ、大事な資産を溶かしてしまうことになるかもしれません。
どうやったら避けられるか?
まず最初に考えられるのは、「売らない」つまり「一生保有し続ける」という手段です。
しかし、個別銘柄を持っている以上、その企業がずっこけることがあります。そんな企業の株を、売ってもインフレ税で損、持ち続けてもその後の利益を期待できず損、ということになります。
ならば、インデックスファンドを持てばいい、という考え方もあるでしょう。もしかしたら、これが現実的な解かもしれない。
しかし、インデックスファンドである以上、「出来の悪い」企業や、「割高な企業」も保有し続けることになります。
いっそ、キャピタルゲイン税のない国 ― シンガポールとか ― に移住する手もあるでしょうか?
お金持ちが集まる国だけに、生活費も相当高そうです。資産1億円くらいの「普通の富裕層」では辛いかもしれません。
と、頭の中が「妄想モード」になってきたので、これくらいにしておきます。