3月23日にいったん底を打った相場も、世界各国の新型コロナ感染拡大の減速観測を受けて、するすると上げてきていますね。
この先2番底が来るのかどうか、私にはわかりません。来てほしいとは思っています。夏のボーナスを突っ込む気満々ですので・・・。
その時のどの銘柄を買うのか。
優待狙いの日本株も含めるとすでに20個くらいの銘柄を保有しており、個人としてこれ以上の数の銘柄を管理するのは難しいと考えています。かといって、今保有している銘柄のどれも売るつもりはないので、保有している銘柄の買い増しをしたいと思っています。
しかし一方で、ニュースやネットを見ていて、新しくほしくなった銘柄が3つあります。
それは、デルタ航空(DAL)、エクソンモービル(XOM)、ギリアドサイエンス(GILD)です。
DALはこのブログでも取り上げましたが、3月の初めにバークシャーが買い増したと報道されたのち、4月初めにやはりバークシャーが一部を売却したと報じされました。
DAL 1年チャート:
私は、バフェットが考えを変えたため、つまり航空業界に対して悲観的な長期的見通しを持ったからと思っていました。しかし、有名ブロガーのバフェット太郎さんの記事を見て、その理由に納得しました。詳しくはバフェット太郎さんのブログやユーチューブを見ていただければと思いますが、一言でいえば、政府の支援を受けるにあたって富裕層優遇と叩かれるのを防ぐため、保有比率を下げたためではないかとのことです。
バフェット太郎さんも、あくまでご自身の意見であって事実かどうかはわからないと断られていますが、私も恐らくそうだと思いました。(信じやすい性格・・・)
XOMも原油価格暴落を受けてお買い得になっています。
環境保護、ESG投資に逆行する業界であり、また、自動車も今後電気自動車に置き換わっていくと考えられます。石油の消費も減ってくるでしょう。
しかし、需要が減ることによってシェール採掘など採算が取れない供給者が淘汰されれば、生き残った生産者の独占力が高まります。
新型コロナのワクチンや治療薬を開発中の銘柄もひと相場ありそうです。その一つがGILD。治療薬の候補remdesivirの開発を進めています。同社から日本語のアナウンスも出ています(リンク)。
でもやっぱり買わない理由
これら3つの銘柄を買うべきかどうか、自問自答してみます。
結論から先に言うと、どれも自分にとっては保有すべき銘柄ではないと判断しました。(一般的にこれらの銘柄が投資に適さないというわけではないです。あくまで自分にとって)
DALをはじめとする米国の航空業界は、もともと激しい競争環境にあったのが、9.11、リーマンショック、SARSなどによって次々と破綻・統合を繰り返し、現在の4社による寡占環境が出来上がっています。
現在は潤沢な利益を株主にもたらしてくれている鉄道業界(UNPとか)でも、昔起こったことです。
しかし、私には航空業界の独占力が、鉄道業界のそれほど強力とは思えません。
広大な米国で長距離の鉄道路線を新しく敷設するのは、コスト的な面で困難でしょう。カリフォルニア州で開発進んでいるハイパーループや、テキサス州で進んでいる日本型新幹線のような例もありますが、あくまでこれらは旅客用。トラック輸送に対してコスト面で大きな競争力を持つ長距離貨物路線とは別物です。
一方で、航空会社の独占力は、「空港の発着枠」だけです。この独占力が今後もずっと続くのかどうか、私には判断できません。この業界に詳しい方なら自信が持てるもかもしれませんし、バークシャーもこの点に自信があるから4大航空会社を保有しているのでしょう。私もその辺をちゃんと勉強すればよいのでしょうが、現時点でそこまでに至っていないので、いまのところ見送り。
XOMを買うのをやめた理由は、低いROEです。7.43%。投資対象にするにはせめて2桁欲しいところです。同業のBP(4.14%)やCVX(1.89%)も低いので、業界の構造的な理由によるのでしょう。
GILDを買うのをやめたのは、まずは製薬業界のことを私が理解できないから。あと、四環医薬(0460.HK)で痛い目にあったのも理由です。ABBVやABTも高配当をもたらす安定銘柄として取り上げられることが多いですが、これらが扱う医薬品の将来にわたっての競争力を自信を持って判断することができません。
それに、膨大な研究費をかけて開発した薬が失敗するかもしれないし、成功してもその独占力を守る特許も20年かそこらで切れてしまう。これも製薬会社を避けたい理由。
私が医薬関係で保有しているのはJNJだけです。医薬関連だけでなく一般消費者向けなど幅広く展開していることに加えて、何よりも長年の実績が安心材料です。ベビーパウダーのリコールに際して見せた誠実な対応も同社の企業価値と思います。
保有銘柄に腹落ちしている理由
保有銘柄のそれぞれについて、その競争力(独占力)について自分が納得できるかどうか、時々見直しています。理屈の面だけでなく、仮に(相場全体でなく)その銘柄が暴落した際に、自信をもって保有し続けられるかどうかというメンタルな面でも、自問自答しています。
例えばこんな感じ。
0177.HK ― 高速道路や有料橋梁。中国が車社会である限り、なくてはならない存在。競合が参入するのも困難。
0371.HK ― 上下水サービス。これも人々の生活に欠かせない上に、簡単には参入できない。
0384.HK ― ガス供給。各戸に引いたラストワンマイルの接続管は、そう簡単には替えられない。
ただし、以上3つの中国銘柄は共産党政府の鶴の一声が最大のリスク。このリスクが顕在化するような事態になったら売り。
3918.HK ― 2045年まで保証されたプノンペン地区での独占営業権。中国の富裕層をごっそり連れてくるジャンケットの存在。
AMZN ― 現在の利益の源泉AWSはAzure等との競争にさらされるでしょう。期待しているのは、「顧客のためなら何でも実現する」という企業文化と、それを支える資金力。
DIS ― ミッキーマウスは不滅。
FAST ― 必要なものを必要な時にすぐ提供できる販路。特に顧客サイト内に置かれた工具、部品の自販機は顧客を独占。
IFF, MKC ― 香料、香味料は、最終製品の品質を決定する重要な要素だが、そのコストはわずか。品質リスクを冒して切り替える動機が湧かない。
MCD ― 10年後、20年後も子供に大人気でしょう。
MO, PM ― 規制が厳しくなり、たばこを吸う人が減っても、ゼロにはならない。各国政府の税収にもなるので、息の根を止められることもない。新たな競争相手も事実上参入できず、消費者が減った分は価格を上乗せできる。大麻とはたぶん別物(私はどちらもやりませんが・・・)
V ― 様々なキャッシュレス決済もその土台はクレジットカード。その発行者が使わざるを得ないサービス。
WM ― NIMBY。人々の生活に欠かせないが、処理施設の新規建設は周囲の反対を招くので困難。
UNPとJNJは、すでに書いた通り。
もちろん、これらの競争力の前提が崩れるような変化があれば、売りを考える必要がありますね。
投資と人生は自己責任で。
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