この10年で価格が2倍に!
私は車については「移動手段」と割り切っている方で、いわゆる高級車には興味はありません。今乗っている車も18年落ちのコンパクトカーで、走行距離も5万キロをちょっと超えたくらいです。あとまだ数年は乗るつもりです。
しかし、いわゆるスーパーカー、高級スポーツカーには興味を惹かれます。街中でフェラーリやランボルギーニの爆音を耳にすると、ついつい目で追ったりしてしまいます。
ユーチューブでもその手のチャンネルを見ることがありますが、その中で、「カウンタックの価格が、この10年で1500万円から3000万円まで2倍に跳ね上がった」という情報を得ました。
興味がわいたので、少し調べてみることにしました。
一言にカウンタックといってもいろいろある
ひとことにカウンタックといっても、以下のような種類があります。(数台しかない限定モデルを除く。)
- 1974年に市販された初版モデルのLP400(150台のみ生産)
- 1978年に生産されたLP400S(同237台)
- 1982年に生産されたLP500S(同323台)
- 1985年に生産された5000QV(同632台)
- 1988年にランボルギーニ創立25周年を記念して発売された最終モデル25thアニバーサリー(同657台)
台数を全部足すと1,999台です。実際にはこれに限定モデルの台数も加えられますが、この生産台数の少なさがこの車種の「価値」を作り上げています。
なお、冒頭で書いた「10年で1500万円から3000万円」というのは、清水草一さんという、スーパーカー界では有名な方のチャンネルで見た情報です。これは、最終モデルのアニバーサリーのものであって、それより前のモデルだと価格は億を超えるものもあるとのことです。
スーパーカーには数あれど、このカウンタックは「別格」といえ、この先何年たっても人々の興味を引き続けることは間違いないと考えらます。
しかし、3000万円というのは、中古マンションも買えるような価格ですから、「億り人になってFIREしよう」と言っている私のようなサラリーマン投資家にはちょっと手が出ませんね。
本を読んで勉強してみる
ユーチューブやネットだけでなく、先の清水草一さんがフェラーリについてたくさん本を出されていますので、その中の一冊をKindleで購入してさっそく読んでみました。
この本によると、著者はサラリーマン時代に最初のフェラーリ1台を購入し、その後20年間で10台のフェラーリやカウンタックを乗り継いできたとのことです。
1、2時間あれば読み切れるちょうどよい分量で、実際にフェラーリを購入するとどんなことに注意しなければならないか、よく理解することができます。
おすすめはフェラーリ328
フェラーリといってもいろいろな種類がありますが、著者によると、サラリーマンが購入するのにおすすめなのが328というモデルなのだそうです。
1985年から1989年にかけて生産されたモデルですので、新しいものでも車齢は30年を超えます。
生産台数は、クーペタイプのGTBが1,344台、タルガトップ(屋根を取り外せる)のGTSが6,068台、合計7,412台です。
廃車になったものもあるでしょうし、世の中にある台数は今後減っていく一方です。
これより前のモデルである308や、後継モデルの348よりも、品質面やメンテのしやすさの面で優っており、人気も高いようです。
そして市場価格ですが、おおよそ500万円から1000万円の間くらいのようです。価格は個体の状態によって大きく変わります。
この先10年、20年と持ち続ければ、先のカウンタックのように価格が跳ね上がるかも?と期待が膨らみます。
もちろん経費がかかる
普段乗りにするような車ではありませんから、賃貸ならもう1台分の車庫を借りる必要があります。雨ざらしにしておくとあっという間に樹脂や革部分が劣化するので、できれば屋根付きにしたいところです。
登録して走るには、各種税金、保険、車検の費用もかかります。先の清水さんの書籍に具体的にいくらくらいかかるか書かれていますので、興味がある方は一読してみてください。
そして、古い車ですから、いろいろなところが壊れていきます。タイミングベルト、クラッチ、ブレーキなどが特にお金のかかるパーツなのだそうです。
長距離乗ってはいけない
フェラーリは、長年保有しても値落ちしない、と言われますが、これはあくまで「走行距離」が少ない場合に限られるのだそうです。
清水さんの書籍によると、「10万キロ走ったフェラーリを欲しがる人はいません。ギリギリで5万キロ台まででしょうか」とのことです。
もともとレース車として作られている車ですから、何十年も乗り継がれるような耐久性を考慮して設計しているわけではないということでしょう。
仮に1000万円で購入して、10万キロで価値がゼロになるとすれば、1キロ当たり100円。週末にちょっと100キロほどドライブするだけで、車の価値が1万円も下がる計算です。
先の経費やガソリン代を加えると、走行キロ当たりの「費用」はかなりの額になります。1キロ走るだけで数百円かかるのなら、移動手段として使うのは相当なぜいたく行為になりそうです。通勤など普段の足にするのは、もってのほか、ということになります。
もちろん、まったく乗らないのも車を傷めることになります。車の状態維持のため「だけ」に時々車庫から出して、少しだけ乗って満足する、という使い方になるみたいです。
資産か負債か
「借金」という意味の「負債」ではなく、
- 保有し続けると価値が上がる(収入をもたらす)のが「資産」
- 保有し続けると価値が下がる(費用がかかる)のが「負債」
だとすると、やはり車ですから「負債」に分類されそうです。
もし10年、20年持ち続けることによって価格が2倍、3倍になるかも?と期待できるのであれば、投資対象つまり資産と考えることもできます。
2000台ほどしか生産されていないカウンタックに対して、この328というモデルだけで7000台以上生産されています。そこまで希少価値が出るかどうか、予想は難しいですね。
好きじゃないと続かなそう
清水さんによると、フェラーリは「愛(=お金)」をかけ続けなければ、すぐにボロボロになってしまうのだそうです。
「走る芸術品」と言われても、結局は工業製品ですから、経年とともに樹脂とかゴムとか革などの部分が劣化していきます。
古い車種ですから、パーツの入手もだんだん困難になっていくでしょう。
ちょっとした異変に気付いて大きな故障になる前に早めに手を打つには、自らが車の構造について詳しく知っておく必要もあります。(「勉強」のために「時間」の投資も必要ということ。)
今後車の電動化が進むと、ガソリンで動くクラシック・スーパーカーの希少価値はますます上がるかもしれませんが、一方で維持にかかる費用も高くなっていくと予想されます。(20年後には、ガソリンスタンドを見つけるのにも苦労するかもしれません。)
やはり、単に「将来値上がりするかも」という金銭面だけの動機では、保有は難しそうです。仮に最終的に損をしても、「保有しておいてよかった」と思えるかどうかがポイントですね。
投資と人生は自己責任で。
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