やっぱり日本は見限った方がいいのか

今朝の日経に、「『東証マヒ』世界がスルー」という記事が掲載されていました。

先日発生した東証のシステム障害による取引停止が世界のメディアでほとんど取り上げられていないというのです。つまり、日本株やその市場がどうなろうが、世界はあまり関心を持っていないということ。

私自身も、もともと中国株(香港株)から投資を始めて、現在は米国株中心に投資を行っています。

日本株は、優待狙いで少し持っているのと、先日買った携帯キャリアのソフトバンクくらいです。ソフトバンクも、その後報道されたNTTによるドコモ買収を受けてさらに株価を下げています。「政権が圧力をかけても、結局携帯料金は下がらない」と見込んだ私の考えも、間違っていたかもしれません。

ROEを基準に投資の是非を考えると、日本企業には投資したいと思えるような企業が本当に少ないと思います。

ちょっと世界に目を向ければ、コカ・コーラ(ROE 47%)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(同25%)、P&G(同28%)と、ROEが20%を超える有名企業がごろごろしています。

かたや、日本の優良企業と呼ばれるところでは、トヨタ(同7.6%)、三菱UFJ(3.3%)、三井物産(9.7%)、ソニー(14.8%)と、ROEはぱっとしません。もちろんROEが高い日本企業もありますが、今後5年、10年その状態がつづくか、という視点で見ると、結構ふるい落とされると思います。

なぜ日本企業の大手企業に永続企業が少ないのか

なぜ日本には、10年、20年と安定して利益を上げ続ける優良企業が少ないのでしょうか?

経営の素人の私の意見ですが、その理由は大きく2点だと思います。

  1. 厳しい解雇規制と乏しい転職市場
  2. 経営責任の不在

1については、これまでの記事でも書いてきたので、ここでは説明は省きます。

2について、サラリーマン社長が経営する企業にお勤めの方なら、身にしみて感じていらっしゃるかもしれません。

健康社会学者の河合薫さんが日経ビジネスに書かれていた記事を読んで腹落ちしたことがあります。

それによると、日本の会社では、若いうちは積極的にいろいろ意見を言う方が「ちょっと生意気だけれども、元気がいいな」と評価されたりしますが、管理職になったあたりから様子が変わってきます。

自分自身の意見を言っても評価されず、トップの意向をくんでトップの思う通りに動くものが評価され、出世階段を上がっていくのだ、というのがその記事の概要でした。(皆さんの職場でも、そういう事例は多いのではないでしょうか。)

そういう状況では、結局みな、トップの顔色を見て、トップの思うように動くようになります。

もちろん、そのトップが正しい経営判断をしてくれれば全く問題はありません。かつての日産のゴーンさんも、最後はあんなふうになってしまったものの、同社の業績を確実に回復させた功績は評価に値すると思います。

しかしほとんどの企業の場合には、そのトップも数年の任期を大過なく過ごすことだけを考えていたりするかもしれません。

業績が伸びない原因について、「戦略は正しい。戦略を実行する力が足りないのではないか?」なんて下を責めたりします。(つまり、自分は正しい判断をしているのに、下がそれをちゃんと実行しないのが悪い、というわけ。某企業ですが、記者会見で堂々とそんなことをいった社長さんも以前いましたね。)

そんなことをいうトップもトップですが、それを聞いた従順な部下たちも、「トップが我々の実行力がないとおっしゃっている。何とかしなければ」と右往左往します。

その戦略自体に異を唱えることはご法度です。そんなことを言っても誰も耳を貸さないか、悪ければ叩かれたりもします。

戦略とは、(大事なことを優先するために)「何をやらないか」を決めることです。しかし、そんな「消極的な」意見が許されるはずもなく、「あれもこれも全部やる」戦略なのですから、うまくいきそうもありません。

これからの日本について少し考える

漠然と「これからの日本は徐々に衰退していくのだろう」と考えている方は多いと思います。

昨年までは「オリンピックをピークにして、その後は景気も悪くなるだろう」という意見が多かったと思います。しかし、そのオリンピックさえ、どうなるか分かりません。

日本においても、優れたアイデアと実行力によって優れたベンチャー企業を立ち上げられている方も多いと思います。

しかし、日本で事業をする以上、10年後、20年後には、今の多くの大企業のようになってしまうのかなとも思ったりします。(いや、変わっていくのかな?)

今後高齢化も確実に進行して、年金、物価、医療、介護様々な面でリタイア生活者の暮らしは苦しくなってきそうです。

それでも、今の日本の生活は、一見快適なので、ゆでガエルのようにぬくぬくと毎日を過ごしている。

リタイアを目前にした年寄りはまだいいかもしれません。

しかし、毎年優秀な大学を卒業して企業に入社してくる若い人たちはどうなるのか?これから大学に進学しようとする人は、ただ日本で生まれ育ったというだけで漠然と日本の大学を選んでしまっていいのか?

理屈では危機感を感じても、肌身でそれを感じるまでは、人間なかなか大きくは動けないのかもしれません。

投資と人生は自己責任で。

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