投資方針3.社会の変化に目を向ける




「投資方針2」で、経済情勢や政治情勢は無視すると書きました。

しかし、大きくて不可逆な社会の変化、あるいは、それを引き起こすであろう新しい技術には目を向けていきたいと思います。

といっても、自動車のEV化が進むからEV関連の企業に投資する、とか、AIやIOTの時代だからこれらに関係する企業に投資する、といったトレンドに沿った投資は行いません。

なぜなら、「成長する市場・業界に属する企業が、必ずしもよい結果を残せる」とは限らない(むしろ、そうならないことが多い)ことがわかっているからです。

過去の携帯電話、薄型テレビなどの例を思い出してみるとよいと思います。これらの「成長市場」に参入したものの、今は見る影もない企業はたくさんあります。他にも例はあります。パソコン(デスクトップ、ノート)、太陽光パネル、インターネットプロバイダ。そしてこれからだと、電気自動車(EV)、AI、IOT関連ということになるのでしょうか。

(私はこういう現象を「子供のサッカー」と呼んでいます。子供のころに経験のある方もいらっしゃると思いますが、ゴール・キーパーをのぞく20人全員が、一斉に団子状態になってボールを追いかけて、ポジションもフォーメーションもへったくれもなく、コートの他の部分には誰もいないという、あれです・・・)

話がそれましたが、どんなトレンドをとらえたいかというと、「資本主義そのものの本質を変えてしまうような変化」です。

大航海の時代に「株式会社」という仕組みが作られ、それ以降「株を購入する」という形で資本家になれば、そこから不労所得を得られる、といった時代が長く続いてきました。

しかし、技術の進歩は指数関数的で、今後ますます変化が早くなることが予想されます。

具体的には、アルビン・トフラーの「富の未来」に書かれているように、社会における「価値」が、金融資産(つまり株式や現金)から、知識や人的資産に移行する流れが早くなるのではないかと心配しています。

つまり、これまで数百年続いた「資本家として株式を持っているだけで、十分な不労所得を得られる」といった状況がなくなる可能性があるのではないかと思っています。

この点については、参考図書の読書録などとして、追って書いていきたいと思います。