日本を代表するシステムインテグレータ(SI)およびコンサル企業である野村総合研究所(NRI)の株を購入しました。
購入にあたって同社について調べたことをまとめてみます。
どんな事業をしているのか
日本の大手SI、悪い言い方をすれば「ITゼネコン」の一つとして知られていますが、事業セグメントは以下の4つに分類されています。
- コンサルティング
- 金融ITソリューション
- 産業ITソリューション
- IT基盤サービス
このうち、金融ITソリューションと産業ITソリューションがSI事業です。
IT基盤サービスとは、具体的にはデータセンター運用です。東京や大阪にデータセンターを持っています。
セグメントごとの売上と営業利益の比率(それぞれ2021年度)は以下の通りです。
今回購入したきっかけ
本日11月28日に同社株を初めて購入しました。
購入したきっかけは、同社株を保有していたベンチャーキャピタルであるジャフコ(8595.T)が、旧村上ファンドからの提案を受け入れてNRI株を売却することを発表(11月25日)し、これを受けてNRIの株価が急落したためです。
(チャートはYahooファイナンスから引用)
本日11月28日の終値で3070円。予想PERは25.47です。
私はこの終値より少し高いところでつかみました。
財務諸表のポイント
株価が下げたことをきっかけとして購入したNRI株ですが、今年8月の旧村上ファンドによるジャフコ買収劇があったころから同社株には注目していました。
今回のような機会があれば購入し、長期的に保有したいと考えていました。
財務諸表から重要と思われるポイントをピックアップしてみます。
金額はM円です。
PL
高い利益率を保ったまま、売上、利益とも順調に伸びています。
2022年度は2Qまで発表されていますが、予想では年次でも増収増益になる見込みのようです。
ROAとROE
後述するように2019年に大量の自社株買いを実施しており、このころからROEが上昇しました。
2021年度のROEは21.3%。2022年度も同等になる見込み。
ROE 10にも満たない日本企業が多い中、非常に優秀です。
営業CFマージン
営業CFマージン(営業CF ÷ 売上)の推移です。こちらも問題なし。
株主還元
配当利率は約1%、配当性向は約33%とあまり高くありませんが、近年は自社株買いで株主還元を進めています。
特に2019年度は大量の自社株買いを実施しています。
米国企業でも大量の自社株買いをする企業はありますが、日本市場の場合自社株買いを進めて債務超過となると(米国と違って)上場廃止となるリスクがあります。そのリスクがあるのにこれだけの自社株買いをするということは、それだけ将来の利益に自信があることの表れと思っています。
2022年度はまだ自社株買いは実施していませんが、11月25日のジャフコによる売り出しのリリースと合わせて、NRIの上限800万株または200億円を上限とする自社株買いもリリースされました(リリースへのリンク)。
最後に
私は日本の某大手製造業に勤務していましたが、その中でNRIと一緒に仕事をさせていただく機会が何度もありました。
NRIの何人もの方とお付き合いさせていただいたのですが、皆さん本当に優秀な方ばかりでした。もちろん、全員とお会いしたわけではないですが、お会いした方が例外なくそういう方だったことは印象的です。
そんな日本の頭脳ともいえる優秀な方があげた利益を、株主という立場で享受させていただける「資本主義」という制度は、本当にありがたい限りです。
現在の好業績が続く限りは同社株を保有し続けたいと思います。もちろん、今後の業績ウォッチは怠らないようにしたいと思います。
投資と人生は自己責任で。
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