「逃亡犯条例」改正案に伴う大規模なデモで香港が揺れています。
私は、この数年で中国株から米国株へシフトしてきましたが、それでもまだ、中国株(香港市場)や香港ドルも保有しています。
今回のデモ騒ぎはあくまできっかけに過ぎないでしょう。
政治的にも経済的にも徐々に中国に取り込まれていく(であろう)香港にあって、米国ドルにペッグした香港ドルがどこまで持ちこたえるのか。危惧する声もネットやニュースで見かけるようになりました。
香港ドルについて、重要なポイントを整理しておきます。
- 1983年に「1US$ = 7.8HK$」でペッグ制が施行された。その後、1997年の香港返還を挟んで、2005年以降は「 1US$ = 7.75~7.85HK$ 」(約±0.64%の幅)で変動するようになった。
- 「カレンシーボード制」が取られている。つまり、発行銀行3行が香港ドル発券に対して相当額の米ドルを預託している。このために、1997年のアジア通貨危機や2008年のリーマンショックにおいても、ペッグ制が維持された。
- このペッグ制は、中央銀行にあたる香港金融管理局(HKMA)による介入で維持されている。HKMAの外貨準備額は、時期にもよるが約4000から5000億USドル。
5年チャートです。グラフが上に行くほど、香港ドル安(米国ドル高)です。この2年くらいは、香港ドル安の限界近くに振れ切っています。
この香港ドル安は、米国の利上げの影響もあったでしょう。いま米国がまた利下げに動くのなら香港ドル安は緩和されるかもしれません。
しかし、対立が深まる米国と中国の間の板挟みになっている香港ドルが、今後も安泰であるかどうか、正直自信がありません。
仮に通貨が暴落しても、企業の価値が変わらないのであれば、香港ドル建ての株式を持っていることにそれほどリスクはないかもしれません。
しかし、売却や配当によって得られた香港ドルの現金を保有しておくのは、ちょっとリスクが高くなってきているかもしれませんね。
当面中国株を買い増す予定がないのであれば、いったん日本円に換えてしまうのが吉かもしれません。
投資と人生は自己責任で。