香味料、香料の世界大手、International Flavors & Fragrances(IFF)の2017/12決算が出ましたので、内容を見てみます。
売上・利益
利益は順調に伸びていますが、利益は2014/12から横ばい気味で、2017/12は最終利益が大きく下がっています。理由は下記参照。
なお、香味料(flavors)と香料(fragrances)別の売り上げ、利益はそれぞれほぼ半々です。
比率
粗利率、販管費/売上の比率はほぼ横ばいで問題なしです。
税率が急騰していますが、これはJNJやPEPと同じく、海外の利益を米国に移転したことに伴うもので単年度限りのものです。これに伴い最終利益率も下がっています。
バランスシート
手抜きで4年分しか入力していませんが、これだけ見れば十分でしょう。
「将来の費用」となる非流動資産が増えています。そのほとんどがのれん代(goodwill)と無形資産(intangibles)です。
利益配分と再投資の効果
利益の伸び悩みと並行して、還元率が大きく伸びています。2017/12は実に9割近くの利益を還元(配当または自社株買い)しています。
一方、利益の伸びはほとんどないため、内部留保累計との比はあまり意味なしです。
キャッシュフロー
フリーCFはプラスなので、問題ないでしょう。
株価
10年チャートです。
米国優良株式らしく、ほとんど押し目らしい押し目がなく、きれいに右肩上がりです。
PERはGoogle finance上は27.73です。一方、希薄化後EPS 3.72をもとに計算すると、38.9です。もっとも上に書いた通り単年限りの高税率の影響を受けています。
利率は1.91%。
「どうしても買いたい」価格ではないと思います。