VOOのEPS(一株当たり利益)っていくら?

定年を待たず早期退職に踏み切る決断をするための判断材料の主要なひとつは、もちろん(退職金を含めた)総資産額です。

でも、今のように相場が下げてくると、ゴールがどんどん遠のいていくようで、精神的に辛いですよね。(もちろん、下げたからという理由だけで売ったりしませんが)

そんな時、心の支えになるもう一つの判断材料が「ルックスルー利益」、つまり、持ち株のEPS(一株当たり利益)に自分の持ち株数をかけたものです。

ルックスルー利益 = EPS × 持ち株数

企業の株を持つということは、その企業を部分的に所有するということです。

企業があげた利益はすべて株主のものです。ルックスルー利益は、その利益のうちの自分の持ち分に相当します。つまり、自分が保有する企業から得られた利益がリックスルー利益分に相当するということです。

実際に現金としてもらえるのは、そのルックスルー利益のうちの「配当」の部分だけです。「自社株買い」に割り当てられた部分も、間接的に還元されたと考えてよいでしょう。

利益から、配当と自社株買い分を引いた残りは、内部留保されます。もちろん、この内部留保も株主のものですから、株主の利益のために再投資することが期待されます。

その再投資がどれだけ効率的に将来の利益を生み出しているかを、株主はチェックする必要があります。

私は、5年とか10年の期間をとって、その期間中の内部留保の累計に対する、利益の増加分の比率をチェックしています。ROEと同じく、20%あれば合格、30%あれば優秀と判断していいでしょう。

このルックスルー利益が、自分が1年間生活するのに必要な金額に届けば、理屈上はその後一切働かなくても、資産を減らさずに生きていくことができそうです。別に、永遠に生きられるわけではないので、資産を取り崩して生活費に充ててもよいのですが、「何歳まで生きてもお金の心配をしなくてよい」という精神的な安心感が得られると思います。

株価に左右される資産額と違って、ルックスルー利益は投資先企業が安定して利益を上げてくれている限り減ることはありませんから、「いつ退職するか」の判断材料として安心して使えそうです。

もちろん、投資先企業がこけたらルックスルー利益も減りますから、慎重な銘柄選択と定期的なチェックは欠かせません。

VOOのEPSっていくら?

前置きが長くなりました。

このルックスルー利益を計算するために、グーグル・スプレッドシートを使っています。

米国株や香港株なら、googlefinance()関数を使ってEPSを自動で取得できます。

=googlefinance(“AMZN”,”eps”)

その他アジア株や優待目当ての日本株の場合は、それぞれEPSをウェブサイトで調べて、手で入力します。年1回のメンテが必要です。

ところが、困ったことが一つ。

徐々にインデックスETFを増やしていくべく、VOOを買い始めました。しかし、VOOのEPSを知るために、”VOO EPS”で検索したり、Yahoo Financeを調べても、それらしい数字は見つかりません。

代わりに、VOOが連動しているS&P500のEPSをもとに計算してみました。

S&P500の四半期ごとのEPSを以下のウェブサイトで知ることができます。

https://ycharts.com/indicators/sp_500_eps

2018年度は以下の通りです。

Dec. 31, 2018 28.96
Sept. 30, 2018 36.36
June 30, 2018 34.05
March 31, 2018 33.02
合計 132.39

これを、S&P500とVOOの価格の比率で割り戻します。ちょっと古いですが、先週末8/16の価格を使います。

VOOのEPS = 132.39 × 265.22 ÷ 2888.68 ≒ 12.16

これが2018年度の実績EPSに相当すると考えてよいと思います。

なお、2019年1QのEPSも開示されているので、「最新4個四半期」のEPSを使ってもよいのですが、そうすると四半期ごとにメンテが必要です。私は年1回でよいと考えているので、上の数字を使ってVOOのルックスルー利益を計算しました。

もしかしたら、何か大きな勘違いをしているかちょっと心配ですが、このEPSをもとに計算した実績PERも22.09なので、大きく違ってはいないでしょう。だいたいの数字を知りたいので、問題ないと判断しています。

投資と人生は自己責任で。

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