確定拠出年金(DC)、ちゃんと運用していますか?

私の(かつての)勤め先は、企業型の確定拠出年金(DC)制度を導入していました。

このDCについて、少し思うところがあったので記事にしてみます。

ちゃんと運用していない人が多い

日本でのDC制度は、2001年に導入されたとのことです。

私の勤め先では、その後しばらくしてから制度導入されました。

このDCの最大の特徴は、「各自で運用方法を決められる(決めなければならない)」ということです。

運用の選択肢をざっくりまとめると、以下の通りです。

  • 定期預金か、債権か、株式か
  • 株式なら、国内か、海外か

投資に覚えがある方にはご説明不要と思いますが、この中で最も高いリターンが期待できるのは、「株式」、さらにその中で「海外株式」です。

しかし、この選択肢、本人が何もしないままでいると、初期値である「定期預金100%」で運用されてしまいます。

もうすでに手元に資料はないのですが、会社から時々配布される案内では、約3割から4割の方が、この「初期値」のまま放置しているみたいでした。

これについては、会社や労働組合も問題視しているようで、この初期値設定をやめるという議論もあったようですが、まだそこまでは至っていません。

運用次第でその差は歴然

導入時点ですでに中国株投資を始めていた私は、最初から迷わず「海外株式100%」を選択しました。

当初は手数料の高いアクティブ型しか選択肢がなかったのですが、途中で手数料の安いパッシブ型が導入されたので、全額そちらに切り替えました。

運用成績は、当然その時々の株価や為替に左右されますが、20年弱の期間、積み立て・運用した結果、現時点で拠出額に対して2倍以上に資産が増えています。

もし仮に全額「定期預金」にしていれば、20年近く運用しても、拠出額からほとんど増えていないはずですので、その差は歴然です。

周囲の人の実情は?

先日、私の送別会を兼ねて、お世話になった若手の人たちと(少人数で)食事会をする機会がありました。

そんな場でFIRE自慢をするのもいやらしいのでお金の話はあまりしませんでしたが、どうしても気になったのでDCの話を少し振ってみました。

その結果、何人かの方は、やはり「初期設定のまま何もしていません」、「株式とかリスクがあるので怖くてできません」とのことでした。

「リスクがないといっても、それはあくまで円建ての話だよね」とか言おうとも思ったのですが、せっかく送別会を開いてくれた場でそんなことをいうのもみっともないので、「ふーん、そうか」みたいな返事をして話を流しました。

そういう回答をしてくれた人の中には、私なんかよりもずっと立派な大学を出た方もいたので、日本の学校教育でファイナンシャル・リテラシーを身に着けられるようになるのも、まだまだ先なのかなあと思ってしまいました。

家計に余裕があれば「マッチング拠出」も

このDCですが、制度的に積み立てられる額に上限が決められています。

私の勤め先のように、DC以外に「確定給付型」年金も併用している場合ですと、毎月27,500円が上限となります。

ほとんどの方は、会社が毎月積み立ててくれる金額は、この上限に届いていないはずです。

その差額分を自分で毎月積み立てることができるのが「マッチング拠出」です。

このマッチング拠出分は、所得から控除されるので所得税の課税対象「外」になります。

ですので、税金面だけを考えると、この上限まで自分でマッチング拠出をするのが「お得」です。

もっとも、拠出したお金は、原則60歳になるまで引き出せませんから、毎月の家計に余裕がない場合には、無理をしない方がよいと思います。

私自身は、このマッチング拠出は導入後しばらくはやっていませんでした。今思うとばかばかしい考えですが、「他人任せにするより、自分で運用先企業を選んだ方がいい」と思っていたからです。

ただ、個別株投資よりインデックス投資がリターンの期待値が高いことを知ったり、税金面でのメリットを認識したこともあり、数年前から上限いっぱいまでマッチング拠出をしてきました。

退職後は個人型(iDeCo)に切り替え

大手企業に勤めるサラリーマンのほとんどは、60歳の定年以降に退職すると思いますので関係ない話ですが、私のように60歳より前に退職する場合には、DCについて注意すべき大事なことがあります。

それは、退職後DCを放置していると、「自動移換」という手続きが取られるということです。

この自動移換とは、運用が止まった上に、管理手数料を取られるという踏んだり蹴ったりの制度なのです。

これを避けるためには、退職後(企業型DCの加入を外れた後)6か月以内に、個人型DC(iDeCo)への切り替えを行う必要があります。

定年の60歳まで勤めて退職するのが普通ですから、退職手続きをする人事部門の担当者の人も、こういう事情があることを、そもそも知らないかもしれません。ですので、彼らにこういう説明をしてもらえることは、期待できなさそうです。

これは、退職前に知ることができて、本当に良かったと思えることでした。

「先の話」と思いがちだけれども・・・

DCの運用に無関心な理由としては、先に書いた「株式運用のリスク」を恐れるという面もあると思いますが、それ以外に、(特に20代、30代の若手の方にとっては)60歳というはるか将来にもらえるお金のことであることや、毎月の(会社の)拠出額が1万円台と少額であることも影響しているのではないかと思います。

しかし、60歳以降にもらえる金額が増えることにより、30代、40代で「早期退職」という冒険をする精神的後ろ盾にもなるはずです。

必ずしも「先の話」ではなく、「今現在の問題」と思うことが大事だと思います。

投資と人生は自己責任で。

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