[雑談][書籍紹介] 「宇宙に生命はあるのか」(小野雅裕)

宇宙関連や生命の誕生に関連したサイエンス物の本を時々読みます。

もちろん、投資活動にはまったく関係ありませんし、普段の生活や仕事にも全く役に立ちません。日頃の話題に出しても、関心持つ人も少ないですしね。

でも時々読みたくなるのです。

そんな中でも、今回読んだ宇宙に命はあるのか 人類が旅した一千億分の八 (SB新書)は自信をもって人に勧められる一冊です。

著者の小野雅裕さんという方はNASAのジェット推進研究所で火星探査ロボットを開発されているバリバリのエンジニアの方ですが、読み手の夢を掻き立てるとてもすてきな文章を書かれています。

本書で一貫して出てくるキーワードは「イマジネーション」です。

フォン・ブラウンがナチスの力を利用してまでロケットを実現し、そしてアポロ11号で人類を月に送ったのも、それに続いてNASAがボイジャー1号、2号を打ち上げて初めて太陽系外に人工物を送り出したのも、火星にローバーを着陸させたのも、木星、土星、天王星やそれらの衛星にまで探査機を送り続けたのも、すべて人類が「イマジネーション」を持っているからに他ならない、ということです。

(なお、副題の「一千億分の八」とは、ケプラー望遠鏡を打ち上げてわかった銀河系内の惑星の数がおおよそ一千億個なのに対して、人類はそのうちのたった8個しか(探査機で)訪問していないことを指しています。)

詳しい内容はぜひ本書を読んでいただきたいのですが、一番想像力を掻き立てられた部分をご紹介します。

Pale Blue Dot(淡い青い点)と呼ばれるボイジャー1号が海王星の軌道よりさらに外側から撮った地球の姿です。Wikipediaの写真にリンクを張っておきますので是非見てみてください。

写真中央の丸で囲まれた1ドットの点が地球です。

これを見たSF作家のカール・セーガンが著したその名もPale Blue Dotという書籍の訳が紹介されています。一部抜粋します。

もう一度、あの点を見て欲しい。あれだ。あれがわれわれの住みかだ。あれが我々だ。あの上で、あなたが愛するすべての人、あなたが知る全ての人、あなたが聞いたことがある全ての人、歴史上のあらゆる人間が、それぞれの人生を生きた。(中略)地球は現在知る限り命を宿す唯一の星だ。少なくとも近い将来に、我々の種族が移民できる場所は他のどこにもない。訪れることはできるだろう。移民はまだだ。好もうと好むまいと、今のところ、我々は地球に依存せねばならない。(後略)

また、「人類は地球外知的生命と遭遇できるか」という議論の中で、株主利益優先で地球環境を破壊する企業に対してもチクリと批判されています。要は、「たった1万年」という短い期間で文明が滅びてしまっては、他の文明と時間的に重複することなどできないということです。

かといって、投資活動をやめるわけでもないですけど。

 

他にも、これまで読んだ宇宙関連や宇宙生命学関連の本をあげておきます。

仕事や生活で投げ出したくなるような嫌なことがあった時に、すべてを忘れて遠くイマジネーションの旅をするためにおすすめです。

「終わりはあるのか」というタイトルですが、長い時間をかけて最後には宇宙には何もなくなるというお話です。どんな辛いことがあっても「結局最後には何もなくなるんだ」と思えば、気が楽になるでしょうか。

ノーベル賞候補といわれるリサ・ランドール博士が書かれた本です。銀河英雄伝説を読み直して、「本当に人類はいつの日かワープできるようになるのか?」と疑問に思って手にしました。

人間をはじめほとんどの生物の血がなぜ赤いかが分かります。

マルチバース(一つの宇宙を意味する「ユニバース」に対する言葉)についての本です。